現実世界3
高校へ行くと、俺が鎹たちのギルドに入ったということが知れ渡っていた。
「噂が回るのは早いな」
「セブンスワールドは、クラスの9割方がしてるんじゃないかな。それだけ人気なゲームだっていうことだな」
鎹に話しかけると、そう返ってきた。
今となっては、当たり前の話ではある。
珍しく早く学校へときた雄山は、すぐに俺のところにきた。
「なあ、宿題ってなかったよな」
「英語のがあっただろ」
それを聞いた時、雄山は愕然としていた。
「マジかよ、宿題忘れてた…」
「あーあ、宿題の提出は昼の後の5時間目だから、今の間にしておけば?」
ヒョコッと現れたのが沢板だ。
どこから現れたのかを、俺は一度聞いてみたい。
「そうだよなー…ということでさ」
おねだり口調で、俺に言った。
「頼むよ啄木鳥。貸してくれよ」
ため息ついて、俺はカバンからノートを取り出す。
「いいけどさ、俺のお願いも聞いてくれよ」
「おう、なんでも聞いてやる」
そう言ったのを聞いてから、俺は条件を提示する。
「じゃあさ、ゲームでアイテム見繕ってくれよ」
「基礎アイテムだろ、それぐらいならお安いご用さ」
雄山に約束させてから、俺はノートを渡す。
「あんがとな」
すぐに机に戻って、写し始めた。
「いいの、あれで」
沢板が俺に聞いた。
「いいんだよ、あれで」
俺は沢板にそう返した。