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現実世界18
再び合流したのは、1時間は経っていた。
「おつかれー」
荷物は、何も持っていないように見える。
「何か買ったのか?」
俺が二人に聞いた。
「これ」
二人はペアの指輪を見せてきた。
イルカのマークがあしらわれた、きれいなものだった。
「お、なかなかいいんじゃないか」
鎹が二人の指に銀色に輝く指輪を見ながら言った。
「付けたままドイツに帰るのか?」
「その予定。でも、もうちょっとだけ日本にいる。だから、めいいっぱい楽しみたい」
デリアが言うのを聞いて、さらに、話は膨らんでいった。




