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現実世界17
ゲームセンターから出ると、デパートに寄ることになった。
「なにか買っていくのか?」
「んー、なにかいいのがあったら、おみやげにいいかなって」
デリアが俺たちに話しかける。
ゲームセンターでの戦闘については、すでに広まっていて、歩くたびにデリアはみんなから視線を集める存在になっていた。
もう、だれもデリアのことを知らないとは言わないだろう。
それほどの有名人だ。
「しかし、内爵を倒すとはな」
「本番でもこれだけいければいいんだけどね。奇跡に近かったし」
ボスクラスを倒したと分かっているのは、これまで数人しかいないから、奇跡だと言うのも当然だろう。
「あ、これなんていいんじゃない?」
デリアにアクセサリーの店先に置いてあるものを見せているのは、当然のように沢板だった。
「俺らは適当にぶらついておこうか」
「そうしよっか」
俺は鎹の案に乗って、雄山と一緒にその場を離れた。




