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ゲーム世界14
どこからか2時間経過という声が聞こえてきた。
ここまで倒した敵は、だいたい150体ぐらいになる。
レベルも5ぐらいは上がっただろう。
「いったん休憩だね」
サチが言うと、一瞬で減っていたHPやMPが全回復する。
「2時間経過した時点で、半分を下回っていた場合は、自動的に全回復してくれるの。その代わり、経験値は100分の1減らされるけどね」
それぐらいだったらやすいものだ。
死んだ場合の経験値の減り方に比べれば。
そして5分ほどすると、敵が再び現れた。
「おやおや、今回は君たちが相手かい」
その人は、フレームワールドのラスボスだった。
「内爵閣下。まさかこんなへんぴなところで出てくるとは……」
ライターがつぶやく。
「ここだってゲームの世界さ。誰が出てきても不思議じゃない」
内爵が答える。
それから、パンと手を叩くと、内爵が告げた。
「君たちは、楽しませてくれるかな?」
それは攻撃開始の合図だった。




