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現実世界11
目印として、放送を聞いてやってきた雄山と一緒に4人とも、ワシの羽を左胸のポケットに刺していた。
「あの…」
そこへ、誰かが聞いてきた。
「はい、どうしましたか」
俺はその女性に聞く。
「もしかして、カスガイさんですか」
「あ、はい。オレです。ライターさんですね」
「ライターでいいよ」
彼女は、大きなキャスター付のカバンを引っ張ってきた。
赤色のそれは、ゴロゴロと引きずられていた。
「こっちから順番に、キツツキ、ハッピー、サチな」
鎹が順番に紹介してくれる。
「初めまして、ライターこと、デリア・ボルマンです」
その人は、とてもいい笑顔を見せてくれた。




