ゲーム世界1
ゲームにログインした俺は、すぐに宿の主人に聞いた。
「ギルドってどうやって入るんですか」
「では、こちらの書類に、入りたいギルドの名前、その代表者名、それと自らの名前を書いてください」
差し出された用紙に記入すると、俺は主人にその用紙を返す。
ふむふむと言いながら、その中身を確認すると、俺にその用紙を戻してきて、宿屋からの地図を簡単に描いた。
「この建物を出て、すぐ左手にある、黄色い看板の建物に入ってください。そして、そこの受付嬢にこの用紙を渡してください。あとは向こうの指示に従えば、ギルド登録は完了します」
「分かりました」
俺はお礼を言って、宿から出た。
お礼を言っても、相手はコンピューターだから意味がないとは思うが、心情的なものだ。
言われた通りのところに、確かにその建物はあった。
「ここかぁ…」
黄色の看板には、ギルド住宅と書かれている。
「住宅…?」
疑問に思いながらも、まずは中に入ってみることにする。
外見から見て、宿と同じような構造を思い描いていたが、それは見事に裏切られた。
中は、かなり広い。
それが第一印象だ。
そして、玄関入って右手に受付がある。
「すみません」
「はい、何でしょうか」
受付にいるお姉さんが、どうやら受付嬢のようだ。
「この用紙を見せるようにと言われたんですが」
「分かりました、少しお預かりします…」
俺が受付嬢に用紙を渡すと、上から下まで見まわしてから俺に用紙を返して、まっすぐ前を指さした。
「あちらの扉をくぐり、3つ目のエレベーターで3階へ行き、309号室へ入ってください」
「分かりました」
言われた通りに、エレベーターが5つ並んでいるうちの3つ目のエレベーターで309号室へと向かうと、その部屋の中に、すでに人が集まっていた。
「おう、きたな」
ガラリンギルドと表札には書かれているため、此処で間違いは無いはずだが、彼らの姿は、学校で見たものとは全く違っていたため、本当に彼らなのかが分からない。
だが、相手のステータスを確認すると、確かにカスガイたちだ。
「ああ、やっと登録が終わったとこだ」
「そりゃよかったわね」
サチが俺に話しかけてくる。
「これで、ギルド登録は終わりだ。今日はこれで宿に戻って、明日以降にみんなに引き合わせることにするよ」
「分かった、ちょうど時間だしな」
俺は残り時間を確認して、2人に話した。
「よし、じゃあ明日はこの部屋に直行すればいいから。装備とか何とか色々を買うことにすっから」
カスガイが俺にこれからについてを話してくれる。
「詳しくは学校で聞くさ」
今日は、後は宿に戻って手続きをした。
ここだけはタダで泊れるらしく、お金は必要なかった。