現実世界6
アイテムを受け取ってすぐに、俺はゲームからログアウトした。
そして翌日、俺は学校に向かっていた。
「おう、やってきたようだな」
学校へ着くと、すぐに俺を見つけた鎹が、俺に声をかける。
「どうしたんだ」
カバンを置いて、それから鎹のところへと向かう。
「いや、一応連絡。雄山が今日は休むそうだ」
「あいつがか。今度は何をやらかしたんだ」
「いや、風邪だそうだ」
バカは風邪をひかないと聞いたことがあったが、どうやら雄山は馬鹿ではなかったようだ。
「珍しいな」
俺は鎹にそれだけ言った。
「そういや、雄山からな、宿題を写させてくれとメールが来よってな」
鎹が携帯の画面を俺に見せてくる。
確かに、いつものお山の口調そのままのメールの文体でつらつらと書き連ねてあった。
「しょうがないか。ま、ちゃんと休みだったら、宿題ぐらい写させてやるか」
いつもしていることだからという理由は、ここでは引っ込めておくことにした。
そこへ、沢板がやってくる。
「あら、お二人とも。お揃いで」
「おう、今日さ、雄山が風邪で休みだそうだ」
俺が沢板へ言うと、驚いた表情をして一言。
「へえ、バカじゃなかったんだ~」
どこか遠くで、くしゃみの音が聞こえたような気がした。




