現実世界1
高校1年生の俺は、誕生日に買ってもらった「7th Wolrd」というVRMMORPGゲームにはまっている。
チュートリアルが終わったばかりだけど、これから本格的にゲーム内で活動するのに当たり、どこかのギルドに所属しなければならないことになる。
ソロプレイヤーというのも存在しているが、一人ではどこかで限界が来るだろうし、それにまとめWikiによれば、受け取れる給料の金額もギルド分減ることになる。
だから俺は、どこかのギルドに所属することにした。
問題は、どこにはいるかだ。
そこで俺は、高校の友人を頼ることにした。
彼らはすでにギルドを結成していて、俺がソフトを買えば、入ってもいいと言ってたはずだ。
そういうことで、高校に来て、すぐにそいつらに聞いてみた。
「なあ、俺もやっとセブンスワールド買ったんだよ」
「そうか、おめでとう。そういや、誕生日プレゼントでもらうって言ってたな。押入れの奥にあったんだろ」
もう登校していたのは、俺の男の幼馴染で、学校で一二を争うようなイケメンの、鎹佐太雄だ。
「それは言わんでくれ。それでさ、相談なんだけどさ…」
「初心者になったから、ギルドに所属したいんだろ。こっちがギルド長しているところに、だろ?」
さすが幼馴染だ。
ツーカーの関係で、何を言いたいのかすら見抜いていた。
「そういうことなんだ」
「いいよ。登録手続きしてくれたら、了承するから。宿屋の主人に頼んでしてくれたら、後は自動でできるし。そっち名前は」
「キツツキ。ギルド名は」
「ガラリンギルドだよ。元々は鎹ギルドって名前にしようとしたんだけどさ、すでに使われてますって言うことでな」
鎹は笑って俺に言った。
「他にギルドにはどんな奴らがいるんだ」
「あいつもいるさ」
鎹が指差した先には、彼女がいた。
「なんだ、もう来てたんだ」
沢板早智が、俺らのところにまっすぐ向かってきた。
俺らの友達だ。
「やっとこいつがセブンスワールド買ったらしいんだ」
「やっとぉ?」
「誕生日プレゼントとしてな。それで…」
「鎹くんが入っていいって言ってんだったら私は何も言わないよ」
それから周りを見回し、もう一人を探した。
「あれ、雄山くんは?」
「いつもどおりさ」
遅刻寸前でやってくる、もう一人の友人、雄山良久のことを言っている。
「あいつがガラリンギルドの副ギルド長なんだ」
「そういや、みんなのユーザーネームは何なんだ」
俺は来ている二人に聞いてみた。
「オレがカスガイ。で、沢板がサチ、雄山はハッピーだったな」
鎹が教えてくれる。
「ハッピーって、なんでそんな名前にしたんだ」
「さあな、本人が来たら聞けばいいさ」
ああそれとと、思い出したように俺に伝えてくる。
「俺ら以外にもう一人いるんだ」
「へぇ、どこの人何だい」
「なんか、外国の人らしいんだけど、日本サーバーを使ってるらしいんだ。交流目的って言ってたな」
「その人の名前は」
「なんだったけね…」
鎹が考え込んだ1秒後に、沢板が教えてくれた。
「ライターって言うのよ。一応15歳、高1だっていう説明なんだけどね」
「ま、それを信じるしかないだろうな」
俺はそう言ってから、席に戻った。
もうすぐチャイムが鳴る。