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Fivethdayー無情

桜木は藤谷を探した。彼女もまた姿は見えなかった。


藤谷はなんとかダストホースに近付いていた。

だが体の傷のせいで思うように動けていなかった。


ちくしょう!と桜木が叫び石原が襲われたのを確認した。


嫌だ、死にたく無い、私はまだ。


藤谷は幼い頃父親に虐待を受けていた。だがそれでもなんとか生きていけたのは優しい母の存在だった。


ごめんね…次はちゃんと私が守ってあげるから…


母もまた攻撃を喰らっていたがそれでもなお藤谷のことを庇い続けた。


そして藤谷は決めたのだ。


母の為に強くなると。


藤谷は小学校が終わると空手教室に通った。


彼女のやる気は誰よりも熱心に空手に熱中させみるみる彼女は強くなり、道場で1番強くなった。


だが悲劇は突然訪れる。


彼女が学校を終え帰ってくると家の前に人集りが出来ていた。


家の前には三台のパトカー


警察の静止を振り切り部屋に入るとそこには父親が見るも無残な姿で横たわっていた。


唖然としている藤谷の横を母親が警察に連れられいった。


「幸せになって……」


藤谷の母はそう言い残しパトカーに乗り込んだのだった。


藤谷はそうして1人となった。



だが今年、藤谷の母は出所する。


私は……会いたい……


藤谷は神に懇願した。


人間が神に願いを届けようとすればするほど神は離れていく。

願いなど通じない、ただそれらは正しい運命とともに消えゆく。


藤谷の体はダストホースの前で引き裂かれた。



最後まで見るわけにはいかなかった。桜木は涙を飲んだ。悲鳴は聞こえなかったが結果はわかっていた。藤谷も殺された。


「桜木!藤谷さんは!」


ダストホースの奥にいた中谷が何か期待を込めて言葉に発しているようだったが、桜木の顔を見て悟った。


「……ダストホースの中にもいつかゾンビが入ってくる……藤谷さんが襲われている間に逃げよう」


中谷が力無く言った。

だが時は一刻を争う。


ダストホースは斜めに下へと伸びており、ダストホースの通路にはゴム製のキャタピラーのような物がついており、エスカレーターのように回転して物を池へとダストするようだった。


ダストホースはギリギリ二人が並べるぐらいしか広さしかなくホースの中を這いつくばって動くしかなかった。


「桜木、咲さん、これ以上はホースの角度が急で這いつくばって動けない。なんとか1人で踏ん張って動くから少し待っててくれ」


先頭の中谷がそう説明した。

ホースの角度は既にかなり急で、ダストであれば重力によって下へと落ちる頃であろう。


わかった、と桜木は後ろにいる咲さんと待つことにした。




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