Fivethdayーダスト
とても信じられないというような顔をしている。
「あぁ、さっきからドアが軋んでる。強い力で押されてるんだ」
この部屋のドアはとても厚く、鍵も厚い鉄のタイプで普通なら壊れるようには見えない。しかし肉に飢えている奴らは突破してくるだろう。
「くそ…まだ無線が治ってないんだ……」
だがその願いを天は無情にも切り捨てた。
ボンとドアが異常音を放った。その場にいた人がピクッと反応しドアの方を確認した。
ドアはゆっくりと部屋の方へと倒れてきた。
そして、ゾンビの突入が始まった。
「ウアウウァゥァヴウィァゥァゥゥ!!!」
雄叫びを上げ大量のゾンビが流れ込む。
「逃げろ!ダストホースに入るんだ!」
中谷が叫んだ、桜木は拳銃を撃とうとしたが不可能だった、机を隔てた向こう側のゾンビの数は部屋いっぱいに入っており、狙うことなど不可能だった。
咲さんがダストホースの中に入ったのを確認し、その後に桜木も中に入った。
ダストホースの中にはまだ中谷と咲しかいなかった。
慌ててダストホースの入口から外を確認すると石原はまだ無線を弄っていた。
「石原!早くしろ!」
わかってる!!と石原がボタン何かを押しこちらへ向かおうとした。
こちらへ走り始めた石原の体が横に吹き飛んだ。
うわぁ!!ゾンビにタックルを受けたのだ。
桜木が拳銃を引き、再びゾンビ狙おうとしたその一瞬の間に石原の姿は見えなくなっていた。
「うわあああああぁぁぁぁぁぁ…いだい…いたぃ………」
叫び声が徐々に徐々に小さくなっていた。
ちくしょう!と桜木が歯を噛み締めた。