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Fourthdayー始まりの林檎

かなりグロいところがあります、ご注意を

m(_ _)m

「あ、あったあった!」


真矢がりんごのなっている木を見つけ走り出した。


「あんまりなってないね……」


先に走っていってしまった真矢の近くまで行くと真矢は悲しそうに言った。


「そうですね、確かクラスの人達で池に来たときみんな食べてました」


自分の班や他の班のみんなが食べていたのを覚えていた咲はそう伝えた。

へぇ、と真矢が頷きながらなっているりんごを採るため木に登り始めた。


「あと……少し……」


真矢がう~ん、と手を伸ばした。


「頑張って!」


真矢が木を蹴り横に飛んだ。左手にはりんごを持っていた。


そして、落ちた。


「アイタタ……よし、戻ろう!」


「大丈夫ですか!」


咲が慌てて真矢に近付いた。


「大丈夫!大丈夫!早く戻ろう!」


「あ、野草を湖であらっておきます、先に戻って置いてください」


咲がそう伝えるとわかった!と真矢は公園の神谷が寝るベンチの方へ歩いて行った。


「沸かしたお湯を使いたいけど鍋みたいなものがないからな……」


野草の泥を咲は丁寧に洗った。

鍋で煮ないと苦くて食べられる物ではないが、どうしてもと言ったときには使えるだろう。

完全に泥が落ちたところで咲は早足で戻った。


「ほら、りんごだよ」


真矢が神谷に手渡した。


「わ、悪い……」


咲が戻ってきたとき神谷は真矢からりんごを受け取り食べ始めるところだった。


「うめぇぇぇ……」


神谷は嬉しそうに笑った。2、30分程かけ神谷はりんごを食べ終えた。


「二人とも悪かったな」


食べ終わった神谷が改めて誤った。


「いいってことよ、ね咲」


ええ、と咲は返した。


「そうか……ウ……ウッ」


神谷が呻き声をあげ始めた。

咲と真矢は最初泣いているんだと錯覚していた。


「おぇぇぇぇぇぇ……」


神谷は突如口から吐血した。


「神谷!しっかりして!」


真矢が神谷の背中を摩った。

そして咲は信じられない物を目にしてしまった。


「ウワァァァゥァァァァァウァ」


神谷から、人間とは思えないような、聞き覚えのある声がした。すると神谷の腕がヒュンッと動いた。


「かみ…」

グジュゥゥゥ…ボトン


真矢が神谷の名を言い終わる前に真矢の首は咲の横を通り過ぎていって落ちた。


真矢の落ちた首は驚いたような顔をしたままであった。

そして真矢の体から血が噴き出て咲と神谷を赤く染めた。


「う……うわぁぁぁぁぁ!いやぁぁぁぁぁ!」


あまりの恐怖に咲は発狂した。


神谷が体をブルブルと震わせている、すると人間固有の肌色がどんどん落ち、黒と青紫に変色していった。


あれはもう……ゾン…ビ


「に……逃げなきゃ!!!」


咲は後退りした。


「ウワァアゥゥァァゥァウ」


神谷は人間ではない。ゾンビと完全に化したのであった。


先程まで立ち上がれなかった神谷は左足を引きずり右手をダランとさせ咲の方へ動き出した。


「いやぁぁぁぁぁ!」


咲は神谷…ゾンビから逃れる為走り出した。


「ウワァォァォァァァ」


あまり咲は足は早くなかったがそれでも骨が折れているゾンビのスピードはそれに匹敵するほど早かった。


「早い!早いよ!」


このままじゃ捕まる……嫌だ、死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないシニタクナイシニタクナイ……


咲はブツブツと呟きながら公園の真ん中に走っていった。


火で追い払えるかも…!咲はそう思い向かったのだ。


公園の遊具で弱火になっていた焚き火の木を手に取り振り回した。


「来ないで!来ないでぇ!!」


咲は汗をかいていた、しかしその汗は火の付いた木を振り回したからではなく、恐怖から出る汗であった。


「ウワァアゥアゥゥァゥアァ」


神谷もといゾンビは目の前に振り回される火に怯えつつも目の前にある食物を逃すわけにもいかない。一歩ずつ、まだ一歩ずつと前に進んで行った。


「いやぁ!来ないで!!!」


先程まで目を向けないでただ振り回していた咲だったが、自分が押されているのに気付き、しっかりと狙いを付け、そして木を振り下ろした。


グザシュジュジュジュジジュ…


「アウアウィァァァァ……」


木は頭に斜めに突き刺さった。

ゾンビは痛みの呻き声をあげながら左手を咲の肩に置いた。


「神谷……君……」


「イァキィァテェァァァ……」


生きて……神谷はそう呻きそして倒れた。


「私……神谷君を……いや…いや……真矢さん……誰か……さ、桜木君……」


咲は膝から崩れ落ちそして泣き続けた。咲は目の前で仲間を失った。


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