Fourthdayー食物を求め
うわっ、と目をつぶった攻撃はこなかった。
ゾンビは後ろから川端に刺されおり、そしてゆっくりと倒れた。
「木、回収しとこう…キッチンで火をつければ使えるかもしれないし、棒だけでも気休め程度になるかもしれない」
川端が目を逸らしながら、松明を抜いた。
桜木もそれに続きゆっくりと抜いたが、音、状態共に吐き気がするものだった。
「あ、ここ油もあるから、ちゃんと松明になるな」
桜木は木についた液や物などを振り払って言った。
木を回収した二人は再び部屋の奥のキッチンへと向かう。
いつまたゾンビが部屋へ入って来るかわからないので、外は常に警戒状態だった。
「冷蔵庫だ、開けるぞ」
ガラ、とドアを開けたが、中には大した食材は入ってなかった。
「牛乳、バター、卵…」
「ケーキでも作るのかよ」
と川端の読み上げにジョークを構した。
川端はそれに笑うと、二段目を開けた、野菜室というところだろう。
「お、こっちはいろいろ入ってるぞ、トマト、キュウリ、大根…」
「まじかよ!」
と桜木が冷蔵庫を確認した。
「まぁ…少し腐ってるのもあるな」
川端がナスを持ち上げた、袋に入っているが、ナスは萎んでおり液が垂れていた。
「とりあえず食糧で持って帰れるものを見つけたし、二人を呼ぼう」
と桜木が二人におーい、と呼んだ。
「悪い、ちょっといま手を話せない。後から行くから持って帰るものを集めといてくれ」
桜木が耳を澄ますと、ガタンガタンとどうやらゾンビと戦っているようだった。
「冷蔵庫にこれだけの食糧しかないって…」
「バカ、基本全部レトルトとかで済ますつもりなんだろ、どこか倉庫とかにあるはずさ」
食器などの入っている棚やコンロの下などを確認していく。
ここまでで持ってかえって意味がありそうなのは、さっき見つけた野菜、コンロの下にあった油、食器棚に入っていた塩コショウなどの調味料のみだった。
「あっ、これじゃない?」
桜木が見つけたのは床に設置されている扉だった。
「多分…ここが倉庫なら」
と桜木が開けて中を確認した。
「あ、あったぁぁぁぁ!!!」
やはりそこは地下の倉庫になっており、レトルトカレー、カップラーメン、スパゲッティの麺、そのソースなど大量に詰まっていた。
その全てを持ってかえる為、地下からキッチンに運び出していった。
「あ、まずい!ゾンビ入ってきたぞ!」
入口から二、三体のゾンビが入ってきている。
「コンロに火入れろ!木に火を付けてゾンビを倒そう」
川端に言われ慌ててコンロのコックを捻った。
カチ、カチ、点火……出来た。
持っていた木の棒を燃やしていった。
服などを巻き付けてある部分から再び燃焼を開始した。
「川端も火を!」
たいまつを持ち前線に出ると川端が火をつけに戻った。
「喰らえ!」
たいまつを振りゾンビのアタマに当てる、ピチピチの音がなり嫌な臭いがした。
「うぁぁぉぉあまぁぉぉぉぉあ」
それを振り払うかのようにゾンビが腕を振り回した。それを慌てて避けると川端が後ろから突っ込んできた。
「うぉぉぉぉりゃ!」
顔面にたいまつが刺さり、プスプスと煙を出しながらゾンビは倒れた。
「危ない!」
川端の横からゾンビが迫った。
くっ!とたいまつを抜こうとするが抜けない。
それを見た桜木はたいまつを構え川端の横へと突っ込んだ。