Fourthdayー危機一髪
「え…あ…確かに」
「ど、どういうことなんだよ」
織田が中谷に詰め寄り聞いた。
「身長が明らかに180を超えてる奴っていたか?」
……確か…先生ですら180はなかったはず……
桜木はそう呟いた。
それに、と中谷が続けた。
「それに…あの服…あまりにもボロボロ過ぎじゃないか?」
確かに服をもう一度確認すると所々穴があき、肌が見えるところもあった。
「じゃ…じゃああれは誰なんだ?」
織田の唾を呑む音が聞こえた。
「わからないけど……ゾンビってことは間違いない」
「あれを倒さなきゃ宿泊施設にはいけない。さっさと倒すぞ」
藤谷さんがみんなにはっぱをかけた。
「よし、じゃあここは足元から崩していこう」
いままでのはサイズは170あるかないかだったが今回はサイズが大きく、いままでより気を付けて戦わないといけなくなりそうだった。
茂みから藤谷、織田が近くに落ちていた木を持ち、一気に突っ込んだ。
その後ろにそれ以外のメンバーも続いた。
「うぅぅぅうあおおぉぉぉ!!」
ゾンビが獲物を見つけ喜びをあらわにするかのように叫んだ。
「黙れ!!!」
織田が体を低姿勢に変え、木を足に打ち込んだ。
と、その瞬間ゾンビが前方に倒れこんだ。
「うぁぁおあえ」
そして織田の打ち込んだ木を倒れた体で押さえ込んだ。
「え……」
織田は持っていた木でバランスを崩し、腕から地面に倒れた。
「うぇぇぉぁぁぁ!」
その瞬間、ゾンビが笑ったような表情になり、倒れたまま手を振り上げた。
ヤバイ
「こんのぉぉぉぉ」
グジュ……
倒れていたゾンビの後頭部を上から藤谷が木で貫通させた。
振り上げた手はゆっくりと織田の体の上に落ちた。
「…は……は…はぁぁぁぁ」
織田が激しく息をした。
そして…その後すぐ嘔吐した。
「だ、大丈夫か織田」
川端が背中をさする。
しばらくすると、織田はゆっくり立ち上がった。
「あ、あぁもう大丈夫だ」
「藤谷さんも…大丈夫?」
桜木が聞くとあぁ、と答えたがその手は明らかに震えていた。
「良かった…本当に良かった……」
中谷も織田の死を覚悟したようだった。
「も、もう大丈夫だから、さっさと進もうぜ」
織田は足を震わせながら立ち上がった。
「本当に大丈夫かよ」
と川端が聞いた。
「大丈夫だって言ってるだろ。いくぞ」
そういうと中谷に預けていた松明を奪い、歩き始めた。
「織田がああ言うんだ。先へ進もう」
中谷がそう言うとみんなも進み始めた。
松明は藤谷の物だけがないため、藤谷は木の棒を持ち、進んだ。
道の端に木が育っており施設を確認出来なかったが、ようやく曲がった道の木の間から施設を確認出来た。
「うわ……」
と桜木は呟いてしまった。
なぜやらそこには施設の周りをうろつくゾンビの姿があったからだった。