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Fourthdayートンネルを抜けて

織田のたいまつによって再びゾンビを確認した。


あ、と桜木は呟いていた。


「中谷、奴だ。近付いて来てる」


それを聞いた中谷はすぐさま考えに入り、そして叫んだ。


「川端、一番前に出てくれ!織田、藤谷、武器を持ったままトンネルの端へ!」


指示を受け、みんながその通りに動き配置についた。


「川端は攻撃に当たらないように後退、二人は横から同時に攻撃してくれ」


作戦内容が伝わるのと同時にゾンビが川端を襲い始めた。

それを受け、川端はジリジリと下がっていった。


「よし、いまだ!」


という中谷の掛け声と共に二人がゾンビに飛び掛った。


二人の武器は長い木のみであった。

先程と同じように織田が足をへし折り、うつ伏せに倒れ込んだところを藤谷さんが顔面に木を打ち込んだ。


「うぅぅぅ…」


「ま、まだ死なないのか…」

ゾンビの声を聞き、桜木はつい呟いてしまった。


「背中に打ち込め!」


中谷が織田に言った。


「こんのぉぉぉ!!」


木を振り上げ、背中に振り下ろした。それを何度も何度も繰り返した。織田以外のみんなはあまりの残虐に感じ、それをただただ傍観するしかなかった。


ボキ……


「うぁぅうぉうあ」


ゾンビが大きく声をあげ、動かなくなった。


「死んだのか?」


川端が聞いた。

織田が棒で突っついた。


「うぁぁぉぁぁぅぁ!!!」


ゾンビが立ち上がろうとしたが、手をあげただけで終わった。


「こいつの脊髄は壊れてる。立ち上がることすらもう出来ないよ……」


中谷が悲しそうに言った。

考えてみれば元は同じ仲間だったのだ、桜木は悔しいという思いがこみ上げていた。


倒したゾンビをそのまま放置し、再びみんなは松明を投げ、進んだ。


「やっと出口だ……みんな気を付けてくれ」


ようやくトンネルにも終わりがやってきた。しかし本当の目的は施設への潜入…トンネルに入るだけではない。


それに…


桜木は思っていた。


施設で体力を失った自分達は……

トンネルを抜けられないんじゃ……


桜木はその考えを払拭するかのように頭を振った。


中谷が出口の手前で辺りを見回していた。


「まだ奴らは見当たらないみたいだ。よし行くぞ」


桜木はトンネルから出ると、目が痛みを感じていた。トンネルの暗闇にようやく対応した目は再びさんさんと太陽が降り注ぐ世界に対応しなくてはならなかった。


桜木は急いで耳を済ました。聞こえるのは自分とみんなの呼吸だけだった。


「この前は逃げる為に下った坂を、今度は逆に登るというのもなんだかなぁ」


と川端が漏らしていた。


坂を登り終えると二手に道が別れた。


「女子の施設と男子の施設か…」


どっちの方が良いのかなぁと桜木が呟いた。


「うーん…女子じゃないかな?」


桜木は何故?と理由を聞いた。


「そもそも女子の方がクラスの人数が少ないからな、絶対数が低い……まぁ」


と言う藤谷さんを遮り、織田が首を突っ込んできた。


「でも混ざってあんまり変わらないんじゃねぇの?」


「だからそう言おうと思っていたんだ」


織田が黙った。


「とりあえず、女子の方で良いんだな?」


川端が確認を取り、進みはじめた。


「おぃ……茂みに入れ」


織田が小さな声でみんなに囁いた。

それにみんなが従い近くの茂みに隠れた。


「どうした?」


「ゾンビが一体いる」


「気付かれたか?」


いや…と織田が答えを胸をおろした。


ゆっくりと茂みから辺りを見回した。


まだ施設が見える前にゾンビが一体いた。違う方向を向いていたおかげでどうやら気付かれていないようだった。


「なぁ、なんかおかしくないか?」


ゾンビを確認した川端が言った。


「え?」とゾンビをまだ確認していない中谷は茂みを確認した。

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