Thirdday~Fourdayー安息の地への退却
ほら、手を使え…
桜木が手を差し出し、神谷を立たせた。
「わるぃ…公園は…どっちだ?」
林の木と木の間に、開けた部分を見つけた。
神谷の左手を肩にかけ、ゆっくりと歩いていった。
歩幅は小さい、常時の半分以下でしかないだろう。
辺りは暗く、自分がどんな姿なのかはしっかりとは確認できない。
だが…惨めで、情けない、その気持ちが自分にのしかかってきた。
最初、行くときは悠々と越えられた坂を二人は転げ落ち、公園に到着した。
…さ、桜木くん!!!!!
音を聞いた居残りメンバーが集まってきた。
ごめん…もう…意識が…
それは言葉にならず、桜木は目を閉じた。
桜木はまた夢を見た。
どうやらこれはこの前の夢の続きのようだ。
この前よりも抽象的ではなく、すこしハッキリしている気がした。
ふんわりとし地面は雲のようで、辺りから小川のような音がした。
「誰かいるか~?」
桜木の問いかけに答えるものは誰もいなかった。
独りぼっちか…
夢の中なのに身体が痛みを感じていた。
イテ…イテテ…
うぐっ、と呻いた瞬間、現実世界へと戻された。
…古傷が閉じてる…
「桜木、大丈夫か?」
藤谷さん……すんませんと謝ると桜木は立ち上がろうと寝ていたベンチに指をついた。