Thirddayー大怪我
体が猛烈に痛い…
あまりの痛みに悪寒が走り始め、ついには嘔吐した。
ダメだ…意識が…
世界が少しずつ白黒になっていき、そこで意識が飛んだ。
再び目を覚ますと、辺りはすっかり暗くなっていた。
うぅ…
隣でうめき声がしたので見てみると神谷だった。
「か、神谷…だ、大丈夫か?」
もはや桜木自身は痛みを感じれなくなっていた、唯一感じられるのは寒さと震えのみだった。
「さ、桜木…お前…血が…」
前に追った傷がパックリと開き、血が流れ土に染みていた。
「く…お前も腕が。」
神谷の右腕は人間の想定外の方向に曲がっており、さらに右腕から体にかけて大きな傷が出来ていた。
「ゾンビにやられたのかな…とりあえず右腕があるのかすらわからねぇ…」
大丈夫…あるよ…となんとか声を発して辺りを見回した。
中谷…川端…どこにいるんだ…
うぉぉ!と叫び声をあげ、桜木はなんとか立ち上がった。
立ち上がった瞬間、クラっと目眩がし、足がおぼつかなくなった桜木は、糸の切れた人形のように倒れた。
「これが…俺の身体なのか…?」
重い…地球が、重力がこんなに重いなんて…
「おぃ、大丈夫か…」
「あぁ、立って戻らなきゃ…ここじゃ…」
ここじゃ、また襲われる。
生まれたばかりの鹿のように、再び桜木は立ち上がった。
「く…戻ろう神谷。公園へ逃げなきゃ。」
神谷が頷き、立ち上がろうと体をバタつかせた。
く…これが人間なのかよ…
桜木は人間の弱さを震撼した。