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Onedayー感染

ギャャァァァァ


人間が出せるとは思えない叫び声が遠くで聞こえると、しばしの沈黙のあと、松の部屋の男子は騒然となった。


「な、なぁ、いまの女子がいる梅の部屋から聞こえたよな。」


否、それは間違いとなる。


ウォァァァァッ‼


明らかにそばで叫び声が聞こえた。竹の部屋じゃない、施設内だった。声のした方へみんなが歩き出した。桜木、川端はそれについて行った。


ウゥゥゥゥァァァッ!


呻き声と叫び声がまた聞こえた。


「風呂場か?」


城田という、ホラーなどまったく信じない男子が風呂場へ先頭きって入った。


「この奥…だな。」

城田の後にみんなも続いて、覗いた。脱衣所には誰かが履いていた服が棚にしまってあるだけであった。


ガラリッ、ドアが開いた音がすると、見るより前に桜木の頬に水がついた。それを手で触り、見てみると、手が赤く染まった。


血⁉


そう驚き、風呂場を見てみた。


「城田⁉うっ…」


気持ち悪いなんて言葉で表せられなかった。身体がボロボロになった人が、首から血が出ている城田を喰っているのだ。何人かのクラスの人はすでに目を背けた。


「おい、あれって益川だろ。」


川端の言葉にもう一度身体がボロボロになっている人間を見た。


目玉は落ちかけていて、皮膚は青と黒に変色し、剥がれ落ちていたが、輪郭や身長は確かに、スポーツの出来た益川であった。


「えっ、ま、マジかよ。」


桜木は川端に伝えるのも兼ねて言ったが川端は益川と城田の状態から恐怖で目が離れなくなっていた。


「川端…やべぇ。」


「わかってるよ‼」


「ちげーよ‼」


言葉と共に、川端を揺すった。それによって桜木を見た川端に、桜木は風呂場の奥を指差した。


「何かいる……。やっべ‼‼」


桜木と川端は脱衣所を出ようとみんなをかき分け始めた。


一番前にいた桜木と川端がいなくなったおかげで、他のみんなも風呂場の奥を確認し、逃げ始めた。


「早くどけ‼」


引っ込み思案な性格なはずの大川が叫んでいる。


うわぁぁぁ‼っと誰かの叫び声が聞こえ、血が降ってきた。


やばい、やばい、やばい、やばい。


桜木は人をなにがなんでも掻き分けて、脱衣所から出て、玄関へ向かおうとするが、みんなが玄関で詰まっている。


脱衣所から他の人も出てきて、竹の部屋へ逃げる奴も出てきた。窓から逃げるつもりなのだ。


しかし、窓は確か三つしかなかったはず、すでに脱衣所から人間ではない物が這い出してきていた。


間に合わねぇ‼

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