Seconddayー食べ物は分けろ【休戦編】
「わかった。この後、食糧が足りなくなって、施設に取りに行くということが必ず起きる。…いま食糧を分けてくれれば、石原はその取りに行かなくても、同等に分け与えることを約束する。」
何か意見がないか、中谷は見回したが、誰一人として、何も言わなかった。
「仕方ない、なら食糧を分けよう……ただし、織田には分けない。」
「それを受けられないというなら?」
織田が体を抑えている藤谷を蹴散らす前に中谷が聞いた。桜木はこの状態よりも、織田の状態の方が恐ろしく唾を飲んだ。
「交渉は決裂だ。」
織田にとっては死刑判決に、中谷はその執行人にもなった気分のようだった。
「なぁ、神谷、ここは友好的に行こうよ。みんなが仲良くしてかないと…その、これからの、生活…も気まずくなるじゃないか。」
「あぁ、俺も織田は嫌いだが、これからのことを考えるべきだろ。」
桜木の言葉に川端も続けた。
それを聞いた神谷はニヤリ笑った。
「それもそうだな。」
じゃあ…と誰かが言う前に神谷の笑みが消えた。
「気まずく?もう始まってるんだよ。」
「何がだ、神谷。」
冷戦じゃない
「生き残り戦争だ‼」
中谷の言葉を最後に交渉は一時休止した。織田の処遇を、つまり神谷側との交渉にてどうするかをみんなで話し合う必要があったからだ。
桜木は自分の意見がまとまらなかった。中谷が五分後にみんなで意見を出して話し合おうと提案したので、意見を考えていたが自分の中で欲と正義感とが争っていた。
お久しぶりの投稿です。
あんまり長くはないですが、これから更に頑張ります。