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ひとがいきる。

作者: 松本遊心
掲載日:2026/01/01

 私は道を歩いている。

 あちらから誰かが歩いてくる。

 道幅は二人がすれ違えるほどのものではない。

 誰かは半身になることなく、こちらにきたので、仕方なく私は立ち止まり体勢を横にしてやりすごした。

 何かを思った。


 私は買い物をしている。

 二つのレジにはそれぞれ数人が会計待ちをしている。

 並んでいる人の買い物かごの量を見て、私は一方の列に並んだ。

 効率よく進む隣のレジとは裏腹に、こちら側は並んだ誰かが会計でクレカを取り出して、取り扱いに手をこまねいている。

 何かを思った。


 私はアルバイトを探している。

 面接はほどなく終わり、出勤開始日がやってきた。

 想像以上の過酷な環境が待ち受けていた。

 親子ほどの年齢差の上司が老いた部下を怒鳴りつけている。

 私は高時給と労働環境を天秤にかけている。

 何かを思った。 


 わたしは生前、悪行が人生の大半を占めて地獄へ落ちた。

 わたしは生前、無意識に一つの善をおこなった。

 神様が地獄と天国をつなぐ一本の細い糸を垂らしてくれている。

 わたしは必死にその糸を登りはじめた。

 誰かが、わたしの下からつづいてきた。

 さらに誰かが、今にも切れそうな糸に手をかけようとしている。

 わたしは思った。


 誰かはわたしだ。

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