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11月14日、金曜日

 放課後、部活を終えて帰ろうとしたら一ノ瀬が駆け寄ってきた。


「……一緒に、帰っていい?」


 見上げた一ノ瀬は悲しそうな顔をしている。

 後ろを見ても、サッカー部の人は誰もいなかった。

 ……女マネも、メイサちゃんも。


「……いいけど、1個、お願い聞いて」

「何?」

「私の前でメイサちゃんの話しないで」

「え?」

「名前も呼ばないで」

「……わかった。柊が、そうしてほしいなら」

「お願いします」


 一ノ瀬と並んで駅に向かう。

 でも、お互いに何も言わなかった。

 冷たい秋の風が吹き抜けた。

 そのまま駅について、改札の少し前で一ノ瀬が立ち止まる。


「……あと、25日なんだけどさ」

「うん」

「柊は、俺のこと、嫌い?」

「……嫌いじゃないから、困ってる」


 一ノ瀬の目が丸くなる。

 何か言われる前に、一ノ瀬の制服の袖を指先でつまんだ。


「……逃げてて、ごめん。明日って部活ある?」

「ない。ないけど、来るよ」

「わかった。じゃあ、10時半くらいに中庭でいい?」

「うん。絶対に行く」


 指先を離す。

 その瞬間、一ノ瀬に手を取られた。

 一ノ瀬の手は、大きくて、熱い。


「ちゃんと、聞かせて。柊が何を思ってたか」


 そのまま手のひらに唇が寄せられた。

 ……ここ、駅のど真ん中なのに、一ノ瀬は気にもしないで、私を見つめている。

 ダメだ。

 私はもう、この瞳から逃げられない。

 ――逃げたくない。

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