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11月07日、金曜日

 部活のあと、校門をくぐったところで後ろから足音が近づいてきた。

 早足で駅に向かうけど、すぐに追いつかれる。


「柊……!」

「……帰るから、離して」

「あと、32日。……明日、応援来てくれる……?」

「行かない。私なんかいなくても、一ノ瀬は勝てる」

「なんでそんなこと言うんだよ! 俺は柊に応援してほしいんだ!」


 一ノ瀬の顔が泣きそうに歪む。

 それを見ていられなくて、私はうつむいた。


「柊!? 俺、お前になんかした? なんで避けるんだよ!」

「……なんではこっちの台詞だよ!」


 思わず叫んだ。


「応援なら、メイサちゃんにしてもらえばいいじゃん!」

「はあ? メイサは関係ないだろ!?」

「……いつもいつも一緒にいるじゃん! 私、もうヤダ……一ノ瀬が何したいのか、全然わかんない……」

「そりゃ、メイサはマネージャーなんだから、いるだろ……?」


 もうヤダ。

 一ノ瀬の口からメイサちゃんの名前、聞きたくない。


「部活だけじゃないじゃん。風邪引いたときに、私にはニャインするだけだけど、メイサちゃんとは会ってたくせに!」

「は? なんで、それ……?」

「もういいよ、馬鹿にしないで! どうせ陽キャが陰キャからかって遊んでるだけでしょ!? 楽しいの? 楽しかったの!? 一ノ瀬とメイサちゃんで、陰で笑ってたんでしょ!?」

「ちょ、柊……!」


 掴んでいた手の力がゆるむ。

 思いっきり腕を振り払って、駅まで走った。

 ……一ノ瀬は、追いかけて来なかった。

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