10月29日、水曜日
「柊、会いたかった!!」
朝、教室に行ったら一ノ瀬が私に向かって大きく手を振った。
「……おはよ」
「おはよう! あと41日! もう、柊に会えなくて柊不足なんだよ。ハグさせてくんない?」
「なんでよ。やだよ」
メイサちゃんと会ってたなら、メイサちゃんにしてもらえばいいじゃん。
そう言いたいのに、口が重くてうまく開かない。
「柊? 顔色悪くない? やっぱり風邪、うつした……?」
「そんなんじゃないよ。気にしないで。あ、私ちょっとトイレ行ってくる」
「う、うん……」
その場にいられなくて、逃げ出した。
一ノ瀬が何をしたいのか全然分からない。
41日後に、私に、何を言うつもりなの?
告白って何?
全部、私の勘違いなのかな。
唇を噛む。
ゆっくり息を吸って吐く。
私は、一ノ瀬から何も言われてない。
思わせぶりな態度と、それらしい言葉に振り回されてばかりだ。
「戻ろう」
きっと、陽キャが陰キャをからかって遊んでるだけだ。
最初から、そう。
そう思わないと、ちょっと、しんどい。
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