10月24日、金曜日
今日は社会科見学!
空港で集合して、班ごとに決めたルートを回って、最後にチェックポイントで先生と合流すれば終わり。
結と双葉くんが科学博物館のゲームコラボで盛り上がっちゃって、時間ギリギリだったけど、なんとか見学は終わった。
「榎本! 柊借りるな」
「どうぞどうぞ」
「ちょ、私の意思は!?」
「行こうぜ、柊! あと46日だ」
一ノ瀬は満面の笑みで私の制服の袖を引っ張る。
結も双葉くんと科学博物館に戻っていった。
「柊、カンガルーいた!」
「あれワラビーだよ」
「……違うのか?」
「みたらし団子と苺大福くらい違う」
「俺にはわかんないけど、柊にはちゃんと違って見えるんだな」
一ノ瀬は笑いながらマップを広げる。
カンガルーは向かい側にいた。
「わあ、かわいいなあ」
「たしかにワラビーよりデカいな……」
「あっ、赤ちゃんいるよ!!」
「……赤ん坊、ワラビーよりデカイ」
一通り見て、ライオンカレー(真ん中のごはんにライオンの顔が描いてあって、周りのカレーがたてがみみたいになってる)も食べた。
「お土産買ってこうぜ、あ、これ。このカンガルーのでっかいぬいぐるみ買うから、柊も俺にお土産買って」
「それ持って帰るの恥ずかしいなあ。いいけどさあ。じゃあこれ、ワラビー」
「いいじゃん。リコって名前つけて大事にする」
「それはちょっと恥ずかしいかも」
「柊もこいつのこと、ソウって呼んでね」
渡されたカンガルーのぬいぐるみはふかふかで、名前はともかく、抱いて寝るには良さそうだ。
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