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10月23日、木曜日

 体育のあと、着替えて教室に戻ったら、一ノ瀬が慌てた顔をした。


「柊、あと47日だけど、今は近寄んないで」

「は?」


 無視して一ノ瀬の隣に座る。

 お腹空いたし。


「あの、ごめん」

「なにが?」

「さっきまで柔道してたから、汗臭いだろ」

「いつもと変わんないけど」

「いつも汗臭いってこと!?」


 そんなこと……ちょっとはあるけど。

 一ノ瀬の制汗剤は無香料だから、汗っぽい匂いが残るときもあるけど、気になるほどじゃない。


「別に、そんな気になんないけど」

「ならいいんだけどさ」


 一ノ瀬が私のほうに屈む。


「ちょ、近い……!」

「柊は体育のあとでもいい匂いだな。制汗剤何使ってんの?」

「普通のだって、これ!」


 体操着入れに入れてた制汗剤を渡す。

 一ノ瀬はスマホで写真を撮った。


「使っていい?」

「いいよ」

「やった。……すごい、柊の匂いがする。めちゃくちゃいい匂い」

「言い方が変態だよ」

「……ごめ、つい」


 ついって何だ。

 でも、一ノ瀬から私の制汗剤の匂いするの、なんか微妙。


「……んー」

「やっぱヤダ?」

「ていうか、いつもの方が好きかな」

「……そっか」


 一ノ瀬は顔を真っ赤にして、弁当持って行っちゃった。


「……ち、違うから! 私の制汗剤の匂いだと、ちょっと変な感じするだけだから!!」

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