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10月18日、土曜日

 花壇に水をまきながら校庭を眺める。

 いつもどおり運動部が走ってるし、体育館からも掛け声が聞こえる。


 サッカー部は試合前だからかストレッチをしたあとはひたすらミニゲームをしていた。

 一ノ瀬はずっと走っている。

 双葉くんはキーパーで、ゴール前から指示を出している。


「頑張ってるなあ」


 他人事みたいに呟く。

 まあ、他人事だし。

 コートの横では女マネがキャーキャー応援している。

 なんていうか、すごくかわいいと思う。

 好きな人、憧れの先輩、そういう相手にまっすぐぶつかっていけるの、かわいい。

 ……それだと一ノ瀬もかわいいみたいだな。

 いやいやいや……。

 ミニゲームが終わって、一ノ瀬が駆け寄ってきた。


「柊! 見てた?」

「見てない」


 自分でもびっくりするくらい、かわいくない返事をしちゃった。

 なのに一ノ瀬はニコニコしながら汗を拭いている。


「明日、柊が応援してくれるの楽しみにしてるから」

「……なんで私なのよ」

「あれ、言ってなかったっけ? 夏休み、花壇に水やりに来てただろ。そのときの横顔が、すごくかわいかったから」

「はあ?」


 なにそれ。

 意味わかんない。


「すごく優しい顔してたんだよ。その顔を、俺に向けてほしい」

「……自分じゃわかんないよ、そんなの」

「うん。だから、そういう顔してもらえるように頑張る。あと52日で俺のこと好きになって」


 ……そう言ってる一ノ瀬の顔のほうが、よっぽど優しいと思う。


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