10月14日、火曜日
今日のホームルームは社会科見学の班決め。
4~6人で1班。
「柊と俺と、あの子……柊といつも一緒にいるさ……」
「榎本結?」
「そう、榎本さん」
「……一ノ瀬、あんた莉子ち以外の女の子、全然認識してないでしょ」
結が呆れた顔で私の前の席に座る。
「そんなことは……ある! あと56日な。おい、双葉!」
「はいよー」
一ノ瀬と同じサッカー部の双葉くんが一ノ瀬の前の席にきた。
ほとんど喋ったことがなくて、どんな人か知らない。
サッカー部だし、きっと陽キャなんだろう。
「ごめんね、柊さん、榎本さん。こいつ横暴だから」
「どこがだよ。1組の王子だぞ」
「自分で言うな」
「……双葉くんはまともだね」
「ウケる、一ノ瀬、まともじゃないって」
「ちょ、柊ひどくない? こんなに愛してるのに……。あ、あと56日な!」
一ノ瀬はふてくされた顔になる。
いや、そもそも告白するって言われただけで、一ノ瀬から好きとかそういうの言われたことないし。
言われたいとかじゃなく!
でも今「こんなに愛してるのに」って言ってたな……。そんなにさらっと言わないでよ。
「柊、見学コース決めよーぜ。俺の希望は、柊が手ぇつないで回ってくれること」
「それは見学コースじゃねえだろうが。一ノ瀬は希望無しっと」
「おい!」
……社会科見学、ちょっとだけ楽しみかも。
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