10月13日、月曜日
「柊、また明日。さっきの本、読んだらまた感想言わせて。あと57日後な!」
放課後、校舎を出たところで一ノ瀬と別れて、部活に向かう。
「柊先輩……!」
後ろから声をかけられた。
……前にもこんなことあったな。
振り向くと、やっぱり同じ、サッカー部の女マネ1年生3人組が私を睨んでいる。
「土曜日、わざわざ試合まで来て、一ノ瀬先輩のこと呼び出すなんて。図々しいんじゃないですか」
「一ノ瀬に応援に来てって頼まれてたんだけど」
「だからって本当に来ないでよ! しかも試合前に呼び出して、邪魔して……」
「ええ……」
ひどいとか言ってくる1年生に、もううんざり。
もう放っておいて部活に行こうかな……。
そう思ったところで、1年生の向こうから足音が聞こえた。
「何してるの?」
「メイサ先輩!!」
うげっ……メイサちゃん……。
何ってわけじゃないけど……なんとなく、苦手だ。
「土曜日の試合でこの人が一ノ瀬先輩の邪魔をするから、止めてもらうようお願いしてたんです……!」
1年生の言葉に、メイサちゃんが顔をしかめる。
「はあ……? 私が颯を行かせたんだけど?」
「どーゆーこと?」
つい口を挟んじゃう。
「あれ、結ちゃから聞いてない? 柊ちゃんが来るっていうから、颯行かせたんだよ。おかげでめっちゃ調子よくなって、勝てました! ありがと!」
結とメイサちゃんはいつのまに連絡先交換したんだろう?
「うちの1年が迷惑かけて、ほんとにごめん。引き取るね。柊ちゃん部活でしょ」
「う、うん……。じゃあ……」
「行ってら。はい、あんたたちはこっち。詳しく聞かせてね」
メイサちゃんが1年生たちを怖い顔で睨んだ。
私はさっさと部活に向かう。
……いや、どう思えばいいのか、全然わかんない。
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