表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/80

9月30日、火曜日

 もう今週末は文化祭!

 ということで学校内は浮かれた雰囲気で、今日も午後はまるまる文化祭の準備だ。

 私は受付周りの小道具担当で、作ったものの一覧を確認している。


「うん、大丈夫かな」


「あ、柊、手え空いてたらこっち手伝って」


「いいよー」


 脅かす用の小道具の手伝いに行く。

 包帯に赤い絵の具をつけたり、百均で買ってきたお面を汚したり。

 聞き慣れた足音がしたから、できたばかりの血だらけの般若のお面を顔に当てた。


「柊、何してんの? あと70日……」


「なぁにぃ~」


「うっわっ!?」


 一ノ瀬が目を丸くして飛び退いた。


「あはは、ウケる」


「ひ、柊!?」


 お面を外すと、一ノ瀬が隣に座って、私の顔とお面を見比べた。


「何それ、めちゃくちゃ驚いたけど!?」


「よくできてるでしょ。百均のお面を絵の具でそれっぽく色つけただけなんだけどね」


「柊、起用だよね」


「や……それは、一ノ瀬が不器用なんじゃないかな……」


「い、言うなよ……」


 もう何個かお面を作る。宣伝のときにこれを頭につけて回ってもいいかも。


「あのさ、回るときに、このお面頭につけといてくれない?」


 できたやつを、一ノ瀬の頭に乗せる。

 一ノ瀬は目を丸くして、一瞬で顔を真っ赤にした。


「えっ、あ……ごめん、近かった……」


「……いいよ、柊なら。どれだけ近くても」


 お面を持っていた手に、一ノ瀬の手が重なる。

 その手は、熱くて汗ばんでて、心臓が、わけわかんないくらい大きな音を立てた。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

この作品が面白かったら、☆を★に変えていただいたり

ブックマークやお気に入り登録してくださると、

作者がとても喜びますので、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ