9月22日、月曜日
放課後、園芸部用の倉庫で苗を受け取る。
台車に乗せて、自分の担当の花壇に向かった。
私の担当は校舎と校庭の間。
運動部のかけ声を聞きながら、土を掘り返す。
パンジーとシクラメンの苗をいい感じに植えていく。
日当たりのいいところには葉ボタンも。
冬が楽しみだなあ。
「柊ー、何してんのー?」
「……うるさ……」
振り返ると、一ノ瀬が駆け寄ってきて隣に座る。
「あ、これ植えてたんだ。何の花?」
「パンジーとシクラメン。あっちは葉ボタン」
「ふうん。いつ咲くの?」
「冬前くらいかな」
「楽しみだな。あ、朝もらったやつ、さっき食べた。美味かった!」
「なら、よかった」
朝、タオルを返すときに新作のチョコと辛そうなポテチも一緒に渡した。
渡したときも喜んでたけど、わざわざ感想を言いにくるくらい美味しかったなら、ちゃんと選んで良かった。
「ねえ、明日デートしようよ」
「しない」
「宿題教えて」
「自分でやって」
「つれないなー、あと78日だから、覚えといて」
「忘れた」
一ノ瀬は笑顔のまま立ち上がって、「じゃ、戻んなきゃ。文化祭の後、試合あるんだ」って言って走っていった。
3週間、一ノ瀬は飽きることなく、カウントダウンを続けている。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
この作品が面白かったら、☆を★に変えていただいたり
ブックマークやお気に入り登録してくださると、
作者がとても喜びますので、よろしくお願いいたします!




