表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/77

9月20日、土曜日

 昨日からの雨はまだ降り続いていて、部活も休みになった。

 私は、洗い終わったタオルを前にして困っていた。


「普通に返せばいいんだよね……?」


 これは、昨日一ノ瀬が貸してくれたタオルだ。

 何かお礼をつけたほうがいいのかなあ。

 でも、私、一ノ瀬が喜ぶものなんて知らない。


 何も思いつかなくて唸っていたら、スマホが震えた。

 一ノ瀬の名前が表示されている。


『あと80日。少しは俺のこと好きになった?』


「なってない。一ノ瀬ってさ、好きなお菓子ある?」


 そう送ったら、一瞬で既読がついて、電話がかかってきた。


「どしたの」


『俺の台詞だけど!? なに、あれ』


「いや、昨日タオル借りたから、返すときにお礼つけたほうがいいかなーって」


『じゃあ、一緒に帰るときに手えつないでほしい』


「お菓子って言ってるじゃん」


『あわよくば、別れるときにキスしてほしい』


「だーかーらー」


『えー……』


 電話の向こうから、不満そうな声が聞こえる。

 めんどくさいなあ、もう。


『俺的にはもうあげちゃってもいいんだけどさ。……あ、じゃあ学校近くのコンビニで、柊が最近気に入ってるやつがいい。柊の好きなもの、教えて』


「まあ、いいけど……。じゃあ月曜日に持って行くよ」


『楽しみにしてる』


 嬉しそうな声を聞いて、どうしたらいいのか、やっぱりわからなかった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

この作品が面白かったら、☆を★に変えていただいたり

ブックマークやお気に入り登録してくださると、

作者がとても喜びますので、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ