9月1日、月曜日
「柊莉子、100日後に告白するから、よろしく」
「……は?」
夏休み明けの教室。
始業式とホームルームが終わって、担任の先生は「さっさと帰れよ」なんて言って出ていった。
私は友だちと、昼ごはんをメックにするかソイゼにするか相談してた。
そんなときに、わけわかんないこと言ってきたのが……同じクラスの一ノ瀬楓。
クラスの人気者で、顔面偏差値高めのサッカー部のエース。
いや、意味わかんない。
「そういう冗談苦手だから、他あたってもらって……」
「冗談じゃねえよ。100日かけて、柊には俺のこと好きになってもらうから」
一ノ瀬がスマホをいじった。
スマホが震えて、一ノ瀬の名前が表示された。
『カウントダウン開始。あと、99日』
「あ、今日も数えてるんだね」
「うん。よろしく」
「よ、よろしくないけど!?」
「俺のこと、好きになれよ」
私の話なんかなんにも聞かないで、一ノ瀬は一歩近づく。
逃げる間もなく私の手を取って、甲にキスした。
「んあ……っ!?」
○ィズニーの王子様かな……?
そう突っ込む前に、一ノ瀬は「じゃ、また明日」と手を離して、教室を出ていった。
隣にいた結を見ると、ポカンと口を開けている。
「ね、結。なに、あれ?」
「私に聞かないでよ……」
ほんとにその通りなんだけど、誰かに答えを教えてほしかった。
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