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ーー難しいお世話ーー

ケルト「解錠方法は心を開かせる?心を開くって何だ?心臓曝け出させりゃ良いのか?んな訳ねーよな…」


 ケルトさんは怖い顔して怖い事をブツブツ言っていた。少年は震えが収まらないままバクに手を引かれて歩いている。


トラ「それでどうするんです?時間が相当かかる事になりますが」


バク「呪いをかけた張本人を殺すのが1番早いがの〜。他に強い呪いの能力者がいれば解けるのではないか?」


ケ「俺はあいつより強い呪いの能力者は知りませんし、あいつが呪いをかけた奴を特定出来ないなら相手も相当強い能力者。素直に心を開かせた方が早いと思います」


バ「開かせれるのか?」


 この質問にケルトさんは悩む。子供の世話どころか人との関わりも冷たい感じなケルトさん。そんなケルトさんに任せるのを不安がっているバクだがトラさんが一言言う。


ト「元凶はお前なんだからお前でどうにかしろ。早めにな」


 これにプチっと来たケルトさんがトラさんの胸ぐらを掴んで言う。


ケ「てめー何でもかんでも俺にやらせやがって、てめーも少しは何か役に立ったらどうだ?」


ト「何で俺が手伝わなければならない、お前が持ってきた不祥事だ。お前でどうにかすんのが筋なんじゃないのか?」


ケ「筋だか何だかはどうでもいんだ。俺はてめーの態度が気に食わねーつってんだよ!」


ト「2人とも落ち着け。こんなところで暴れたらタダじゃ済まなくなる…」


 バクはまたか…と言うようや表情で2人をなだめる。


ト「自分が出来ないからって人にやらせようとするな!」


ケ「ガキの世話くらい俺なら余裕で出来るわ!」


ト「じゃあやってみせろ!その子の心を開いてみせろ!」


ケ「ああやってやるとも、てめーより俺のが優秀な事証明してやるぜ」


 何かケルトさん言いくるめられてる…とりあえずこんな事がありケルトさんが少年の面倒を見ることになり家に着いた。


ケ「そういや何も食ってねーから腹減ったな」


バ「そうだな。色々ありすぎたからの〜」


ケ「何か作るんで待ってて下さいね」


 少年が来たのは大体昼頃。色々あったせいでもう外も暗くなっている。少年は家に着いても部屋の隅でうずくまっている。


ケ「いつまでそこに居るんだ?部屋はちゃんと用意しといたぞ。ベッドに机と椅子と本棚は…あんま本はねーがある程度読めるだろーよ」


少年「……」


 少年は疲れ切ったような顔でケルトさんを見上げるが、すぐに下を向いてしまう。ケルトさんも諦めたようにキッチンへ戻り料理の続きを作る。


ケ「よし、飯出来たぞー」


 ケルトさんは大きな声でバクとトラさんにご飯が出来たことを伝える。そして少年の目の前まで来る。


ケ「おい、腹減ってんだろ?飯出来たぞ。………ったくしゃーねーな」


 そう言いうずくまってる少年を軽々持ち上げ椅子まで運ぶ。少年は少し驚いた様子だったが抵抗する素ぶりや体に力が入ってるようにも見えない。椅子は獣人用に作られているものだったが箱を使って高さを合わせている。


3人「いただきます」


 みんながそう言うと食事が始まる。食事は量が多く綺麗に盛り付けられている。美味しそう…。だが少年は食べようとしない。それに気付いたケルトさんは箸の使い方を忘れたのかと思いスプーンやフォークを持ってきて渡したが、それでも食べようとしない。


ケ「食欲ねーのか?まぁ記憶失ってるぐらいだしそんくらいの衝撃はあるか。ねーなら俺が食っちまうぜ?」


 ケルトさんは冗談半分で言ったが少年は何も反応せず高い椅子を降りて部屋の隅に行ってしまった。


ケ「何だあいつ…」


 ちょっとムスッとしたケルトさんは小さい声でそう言った。

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