ーーはじめての外ーー
ケルトさんは昼ご飯に何を作ろうか冷蔵庫を開ける。
「食材が少なくなってきたな。よし、買い物行くか」
ケルトさんは財布をポケットに入れ玄関に向かう。靴を履いてさぁ出発だと言う時。
「んー!んー!」
イリウスが何か言いたがっている。
「おーどうしたー?行ってらっしゃいでも言いにきたのかー?ってそう言うわけじゃなさそうだな…」
イリウスはドアを指差したり自分を指差したり頑張って伝えようとした。
「一緒に行きてーってことか?」
「ん!ん!」
イリウスは嬉しそうに首を縦に振る。
(連れてくっつっても勝手に連れてって良いもんなのか?まぁ俺が着いてるしある程度は平気だろ)
「よし、連れてってやる!お前の靴は…あーボロボロだったから捨てたんだった。新しい靴はっと」
ケルトさんはそう言いながら靴箱を漁る。体も同じくらいの大きさだしとバクのサイズである靴を取り出し、イリウスの向きに置く。
「靴は自分で履けるよな?後はー…一応ローブ羽織っとけ」
そう言いケルトさんは靴を履いてるイリウスにローブを被せる。靴も履いて準備完了。いざ、外の世界へ
イリウスは目を輝かせて外に出たが案外普通だった。人間界とほぼほぼ同じ。ただ、車が一台も無いのと人口が圧倒的に多いのが違いだった。イリウスはケルトさんと離れないように頑張って横を歩く。それが可愛く思えたのかケルトさんは足を早めたりして遊んでいた。
(そういえば、足…)
イリウスは思い出したかのように傷が付いていた足を見る。包帯を巻いたままで上からじゃ何も見えないが、走ったりしても全く痛くない。少し不思議に感じながらも治った事が嬉しくて全く気にならない。少し歩いてる内に商店街に着く。色々な店があって人が溢れかえるほどいる。
ケルトさんはテキパキと肉屋や八百屋、酒屋など店主と世間話でもしながら買い物をこなした。残る買い物が後2箇所ほどになったころ。
「イリウス、ちょっと人が多すぎる。はぐれねーよう手でも繋いで………」
ケルトさんが横や後ろを見るがイリウスの姿はない。手を繋ごうとした状態で固まり2秒が経つ。
「イ、イリウスー!?どこだ?イリウスー!」
人混みが激しくあちらこちらへと連れてかれるイリウス。
「ん゛ゅ」
人同士に挟まれた状態から何もないところに絞り出される。さっきの商店街から少し外れた通路のようなところだ。店も全部しまっており、夜の営業がほとんどのように見えた。
(はぐれちゃった……)
そう思いイリウスは泣いてしまった。喋れないので啜り泣くことしか出来ない。そんな中イリウスに近づいてくる人物が居た。
「人間の子供…?お前、迷子か?」
そう言われ自分の事だと分かったイリウスは顔を上がる。その人の顔を見るとイリウスはびっくりして後ろへ引いてしまった。
「ん?妖怪を見るのは初めてなのか?俺は一つ目小僧のんーそうだな、『メメ』とでも呼んでくれ」
「ん…」
「おいおい、呪われちまってるじゃねーか。でも恨みとかは特に感じねーな。ならきっと良い呪いだぜ」
メメは呪いが見えるみたいだ。その上恨みも感じるらしい。一つ目小僧のメメと出会ってとりあえず人が居る所まで進むよう誘導された。
「お前のことなんて呼べば良いかな〜。そうだなー迷子だったからメイゴとでも呼んどくぜ。親と一緒に来たのか?」
イリウスは首を縦に振る。
「メイゴはまだ子供なんだな。人間の子供は良いな〜純粋で無邪気で心が綺麗だ。だが人間の大人は汚い。欲望で満ちてて酷ぇことしやがる。メイゴはそんな大人になっちゃダメだぞ」
イリウスはよく分からないがメメの辛そうな顔が見えて心配になっている。
「ほら、ここまで来れば安心だぜ。ある程度人が居るしあっち行けば交番もある。俺はこの先には行けねーけどな」
メメが案内してくれてとても嬉しかった。1人で居た不安も、恐怖も、全部メメが忘れさせてくれた。あんな事が起きなければ…
「おー妖怪じゃーん」
人が居る通路から出てきた大人の男はそう言いメメを蹴飛ばした。イリウスは急いでメメの元に寄り心配そうにする。
「おいおいwあんまやりすぎると化け物になっちまうぞ?」
「平気平気。こんな弱そうな妖怪だぜ?化け物になってもどうにかなんだろw」
大人の人達は何を言ってるのかイリウスには分からなかった。
「メイゴは早く行け。巻き込みたくねー」
メメはそう言うがイリウスは離れようとしない。大人の人達がまた何かしようとメメに近づくがイリウスはそれを庇う。
「何?このガキ。そこどけよ。お前もボコっちゃうぞー?w」
「妖怪なんて庇ってどうすんだよガキ。そいつらはこうなる宿命なんだよ」
イリウスは納得いかない様子で立ちはだかる。殴ろうとするフリをして怖がるイリウスで遊んでいる大人達。
「やめろ!そいつは関係ねーだろ!」
メメがそう言うと大人達は止まる。
「じゃあ良いわ、お前邪魔」
そう言うとイリウスを叩き飛ばす。軽いイリウスは通路の壁に背中を打ち付ける。
「今から2人ともボッコボコにしまーすwお前はあのガキを頼む。親が見ても誰か分かんねーくらいまで殴ってやれよw」
「はー…庇わなきゃ良かったのにな。可哀想に」
そう言ってるのを聞いてメメの様子がおかしくなる。
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