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頭の上の猫

作者: 結月アオバ

ノリです。批判コメントは受け付けません。

「うっ……!」


 朝、学校に来ていつものように本を読んでいたら頭に重さを感じた。ちらりと頭を動かさないようにして目線だけ上に向ける。当然、何も見えない。


 しかし、この感触は知っている。


「……お前、またか」


「なー」


 そう、猫である。毎朝毎朝学校に入り込んでは俺の頭の上に乗ってくる非常に困った愛くるしい猫である。


 一度頭の上から持ち上げて机の上に置いてあげる。白と黒のしましまの非常に愛くるしい野良猫だ。


「……お前、だからいつも頭の上乗るの辞めろって」


「なー」


 くっそ……!適当な返事しやがって……!


 そしてトタトタの俺の方へやってきたかと思えばピョン!とジャンプして俺の肩へ移動した後に、

頭まで登った。


 はぁ……もういいや……と諦め読書に集中する。


「うぃーおはーーーってお前また頭に猫乗っけてる」


「首痛くなるからそろそろやめて欲しいんだよね………」


 てか本当に痛い。現在進行形で痛い。本当にタイミング見計らって一旦降りてくれるのが唯一の救い。


 はぁ……とため息を着いて腕を伸ばして猫を撫でる。なーの鳴き声の後に俺の指をぺろぺろと舐めた。


 この猫、なんで学校入れてるの?とか疑問符を浮かべている人が多いだろうが、なんと校長先生直々に入校を許可している。


 なんでも校長が猫好きで俺の頭の上にいる猫を見ると非常に癒されるからである。それでいいのか校長。


 しかもなんと先生も、授業中に頭の上の猫を見て癒されているという。このまえ強面の社会の先生が俺に報告してきた。いつも助かってるって。それでいいのか先生。


 そしてーーー主に猫を求めて俺の周りに女子が集まる。ホントやめて。そしてどさくさ紛れて俺の頭も撫でるなそこの委員長。てか周りの女子も俺の頭撫でるな!


 友達からお前と猫が廊下歩いてると非常に和む。なんか可愛いと言われた。やめて欲しい。ただでさえ中性的な顔立ちなのに。


「シクくん今日も可愛い……」


「癒されるわ……」


「テスト勉強の疲れが取れるわ……」


「藤見くんも可愛い………」


「「「「分かる」」」」


「分かるなよ………」


 四人の女子にボヤきながらツッコミを入れる。てかほんと撫でないでお願いだから。君たちこの学校で四代美女とか言われてるんだから辞めて本当に。心臓に悪いの。


 ほら、ねぇ見て?目の前にいる友達がものすごい目で俺のこと見てるの。お願いだから気づいて?


 この後、結局ホームルーム始まるまで撫でられた。


「おー藤見。今日も決まってるぞ」


「なー」


 俺の代わりに、シクが鳴いた。俺は泣いた。

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