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第10話 いじわる攻撃

学校の休み時間。オレたちは手をつないで廊下の端っこで話をする。


実はグラドルだった淳。

その恋人のオレ。ふっふっふ。

目立ちたくないなんて思ってたけど、今はもの凄い優越感。

おーい。ここにいる淳ちゃんは元々グラビアアイドルだったんですよー!

って学校中に言いふらしたい。


みんな『わーっ』て駆け寄ってくるだろうな。

雛川さん、雛川さんって。

ダーメダメダメ。すっこんでてくださいよ。

淳はオレのもの。オレだけのじゅーんちゃん。


『椎太クンなに笑ってるんだろぉ〜』


「ふふ。なに笑ってるの?」

「え? なんでもないよ。淳にはヒーミツ」


『ヒミツ! なんだろ……気になる。他の人が好きだとか?』


「やだ〜……。怖い。教えて〜」

「いや〜、淳と一緒で幸せだな〜と思って」


『やん』


「やん」


可愛い。可愛いすぎだろ。


ゾク……。なんだこの感覚。

見るとニヤついた女が一人。

噂だと美人だけど意地悪にかけては学校一と言われる祖鯉寺そこいじ環瑠わるじゃねーか。

目をつけられないように隅っこで生きていたのに、見つかった!

ビラを片手にこっちに近づいてくる!

こーーーわい!


「見せつけてくれるわね〜。お二人さん。学校祭実行委員の祖鯉寺です。学校祭でミスコンをやるのよ。音倉さんにも是非でてもらおうと思って」

「え──」


淳。急に声をかけられたから頭の中真っ白になっちゃってるぞ。

プフ。面白い。

いやいやおもしろがってる場合じゃない。

祖鯉寺のビラを渡す手にこっそり触れてみる。


『暗い女が、イッチョマエに青春なんてしやがって。ミスコンに強制的に出して笑いもんにさせてやるわ』


やっぱり。祖鯉寺のヤツ。

淳に意地悪をして笑おうって腹だな。

あのなぁ。淳はそんじょそこらの高校生じゃねーぞ?

狭き門をくぐって高一の頃はグラビアアイドルやってた美人さんなんだぞ?

ダボダボの制服はでっかいおっぱい隠すためなんだぞー!

ホントはばいーんばいーんなんだからな!?

グラビアの写真しか見たこと無いけど。


「あの私──」

「なによ。出るでしょ? よろしくね。あなたならイイ線いくわよ」


そういって祖鯉寺はさっさと行ってしまった。

サイテーな女。ろくな死に方しない。


あ〜、やっぱり淳から嫌な気持ちが手をつたって流れて来る。


「椎太クンは……どう思う?」


そりゃ淳は出たくねーよな。

でも、オレはあの女に目にモノくれてやりたい。

ホントの淳は誰よりもミスコングランプリなんだぞって。


「……出てみなよ」

「──え?」


「淳ならホントは楽勝だよ。学校一の美人に間違いないのに、あんな祖鯉寺なんかに目をつけられて変にこれ以上いじわるされたくないよ」

「そっか……」


「そうだよ」


ビラのミスコンの項目を見てみる。


参加資格は学校に在籍していること。

そりゃ大丈夫だろ。


私服による自己アピール。

うーん。淳の服は地味なもんしかねぇからな。そこら辺は二人で買いに行けば良いし。


水着によるアピール。

うぉっと。そりゃー淳の生足とか、生膝とか、生肘とか、生肩とかが見れちゃうってこと?

あとはそのぉ、いろいろと盛り上がってるところとか?

うぉーーー!

俺の気持ちも盛り上がって来たァ!


「やろう! まずは部屋で特訓しよう!」

「特訓?」


だって自己アピールですもん、アピールするポーズとかあるでしょ〜。

はぁ〜、早く放課後にならないかな〜。

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[一言] むー、大丈夫なのかな?これは?
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