第9話:Flamboyant
「あんた、よくもあたいを殺ろうとしたわね!」
鬱蒼とした山に怒りの声が響き渡る。
その声の主を視認するや否やクロは盛大に腰を抜かす。
「え”っ!?」
「気をつけてくださいクロ先輩!喋る熊がいます!」
眩しい星空の下、クロは鬼火が出るといわれる山を調査していた。
能力者がらみの現象ではないかと思ったため、自分の装甲車の荷台にありったけの化学物質と武器を、助手席には零を乗せて、鬼火が出る時間帯にやって来たのである。
しかし、そこで出会ったのはかつて研究仲間として仲良くやっていたヒグマのロレッタであった。
15年前、彼女は世界初の知能熊になるべく人間の脳を移植したのが原因で死んでしまったはずなのに、どういうわけか今、クロの目の前で仁王立ちして人間の言葉を喋っている。
そして、ロレッタの周りには小動物が大勢集まっている。
「ほら、あんたらは危ないから後ろに下がってなー……」
笑顔で小動物らを3メートルほど後ろに退避させると、眉間にしわを寄せてクロたちの方を睨んだ。
「クロ、とぼけんじゃないわよ、あんたは気まぐれで人の命を脅かす化け物でしょうが。
ていうか、あんた一体何しに来たんだい?あと、そのインディゴブルーの女は誰?あんたら、もしかして、このあたいにさらなる危害を加えに来たとか?」
「違うよロレッタ!俺はただ鬼火を作ってる張本人を藍川と一緒に捕縛しにきただけだよ。鬼火のおかげで山に入った人が大火傷を食らって逃げ降りてくるんだって」
「すみません、クロ先輩、その……ロレッタ…さん?に一体どのような酷い事をなされたのです?」
「してないよ、むしろ俺はロレッタを大事にしてた」
「しかし、彼女は先輩の事を化け物と…」
クロと零の会話にロレッタがふいに爆弾を投下した。
「ふーん、鬼火を作ってるヤツねぇ…それ恐らくあたいだわ」
「お前が作ってる…だとぉ!?」
あっさりと認めたロレッタに零は言った。
「こんなところで鬼火を作らないでください!こんな場所で火を使ったら山火事になってしまいますよ。クロ先輩曰く、過失による山火事は森林法違反で50万円以下の罰金が科せられるそうです。熊に払える金額ではありません!」
「嗚呼、そうかい。でも、あたいには止めてやるつもりなんてないね。あたいはね、鬼火を作ることでこの山に住む全ての小動物を守ってるのさ。あいつらの命はお金には換えられないからね!」
ロレッタの背後に居るのはウサギ、タヌキ、キツネ、クロテン等。
これらは全て上質な毛皮がとれる動物達である。
ロレッタは本当はいい奴だとクロは十分に理解していたのでロレッタがそのような行動をとるのも無理はないと思った。
精神年齢4歳のアナーキーなクロでも、ロレッタを捕縛することで起こりうる大惨事ぐらいは容易く想像できた。
零のスマホにロレッタをはじめとする動物達の思念が出力される。
『クロのやつ、あたいのみならず小動物まで手をかけるつもりなら、焼き尽くしてやる…』
『あのくろずくめのチビ、なんかヤバそうだ』
『インディゴブルーかよ、かわった毛色のにんげんだな』
『おれたちあいつらに皮はぎとられるんかな?』
『とりまロレッタの姉御がなんとかしてくれるだろ』
『猟銃はいやだ!猟銃はいやだ!猟銃はいやだ!猟銃はいやだ!猟銃はいやだ!』
「どうしましょう、クロ先輩!ロレッタさんを捕縛してしまっては小動物たちが毛皮にされてしまいます。どうにか彼らを人間から守らなければ!」
クロは零のスマホを覗き込み、全てを理解してロレッタにきっぱりと言った。
「ロレッタ、先に謝っておくけど、本当に俺はこれといって酷い事をした憶えはない。
だけど、お前が動物を守るのを望むなら、俺も動物を守る為にできることはやるよ。
俺にできること、それは法律を制定することだ。
“ここを狩猟禁止区域に指定して、違反者には化粧品のアレルギーテストの被験体を動物達の代わりにやってもらう”って法律をだよ。
正しい事をしているお前を捕縛するのは間違いだということは紛れもない事実だし。
そんなわけで、法律を作るためなら政府に最大の圧力をかけることも辞さない!
なぜそこまでするかって?お前に初めて会った日に“お前のためなら何でもする”って約束したからだよ」
クロが自身にした仕打ちを本当に忘れたということと、相も変わらず歪みきっているクロの認知に呆れて失笑するとともに、15年も前の約束を覚えてくれていて、今その約束をはたそうとしているクロの姿に心を動かされ、ロレッタはかなり複雑な気持ちになった。
「……ありがとうクロ。ほら、もう行きな。二度と戻ってくんじゃないよ」
「じゃあねロレッタ!藍川も帰るよ!」
その時、向こうで朽ち果てた大きい枝が折れた。不運な事に、その直下にはクロの装甲車に積まれたかなりの量の爆薬があった…
「危ない、クロ先輩!装甲車に大きな枝が落ちます!!!」
「嗚呼やばい、駄目だ!!それだけは勘弁…」
キュドーーーーーン!!!!!
一瞬にして、装甲車の周りの木々がオガクズの山と化した…
さらに、装甲車から全ての化学薬品が一気に流れ出して一種の地獄絵図を作り上げる。
ポリアクリル酸ナトリウムは水に触れて200倍にも膨れ上がり、
過酸化水素水とヨウ化カリウムは大量の泡を作り出し、
ヨウ化窒素は爆発して紫のヨウ素蒸気を発生させ、
カリウムは水と激しく反応し、水酸化カリウムと水素ガスを発生させた。
「もうあたいらに何もしないって約束したじゃないか!!!」
ロレッタが激怒したのはいうまでもない。
零のスマホに小動物らの悲痛な叫びが次から次へと羅列されていく。
『クロ、あんた絶対に許さないよ!!!』
『ああああああああああああああああああ!!!!』
『おれのすみかがとけちまう、なんてことだ』
『マジではきそうだ!!!』
『やっぱり、にんげん共はあしのはえた公害だぜ』
『おさまってくれ!!!!』
『おれたちみんなしぬんだ!!!』
『猟銃はいやだ!猟銃はいやだ!猟銃はいやだ!猟銃はいやだ!猟銃はいやだ!』
「ロレッタ、申し訳ない!これはねぇ、本っ当に事故なんだよ!!!」
「そうですよ、ロレッタさん!枝が落下するのは想定外でした、本当に事故なんです!」
ロレッタは聞く耳を持たない。
「今分かったわよ…あたいを油断させた隙に山を破壊しようって魂胆があったんでしょ!?
あんたにはいいとこがひとつも無い!あんたって奴は、麻酔で寝てるあたいを地中深くに埋めて殺そうとするし、小動物の住処さえも壊してくれた!
あんたみたいなのは、連れの女もろとも、あたいの【百火繚乱】で焼き尽くしてやるわよ!」
「お前を地中に埋めて殺そうと…ロレッタ!!それってもしかすると…」
「うるさいわね、言い訳はあの世で言いなさい!」
ロレッタはスマホを取り出し、クロと零に向けた。ピザ屋のバイトテロについて掲載されている画面からエネルギーが放たれ、徐々に赤黒い火の玉を形成していく…
「そんな!!嘘でしょう!?」
零は衝撃を受けた。自分以外にスマホを使う能力者…いや、能力熊がいたという事実に…
火の玉がバレーボール程度の大きさになった頃、零のスマホに文字が出力された。
『発射』
「クロ先輩!逃げますよ!」
零がクロを片手に抱えて奥のほうへと逃げた。もし彼らがその場に留まっていれば足に風穴が開いていただろう。
一息ついたクロはスマホを取り出して少し操作し、ロレッタに思惑を知られないように零と【青空電波】で会話した。
『いやあ、助けてくれて有難う。だけど毎回毎回抱えられて逃げるのは不便だと思うんだよね。だからさ、この問題に対処するために、藍川にはメールで送ったこのアプリを入れてほしいんだ。大丈夫、URLをタップするだけでできるし、0.5秒で終わるからさあ』
零がURLをクリックすると、なにやら見覚えのあるアイコンが出現した。
それは、どこからどうみても、位置情報を利用したあの有名なゲームのアプリのアイコンだった。
なぜここで“ポ○モンgo”を入れさせたのか。そんな当たり前の疑問が頭をよぎると、 零のスマホにクロからの文章が届いた。
「ヒェッ…!!!!」
それは思わず零が悲鳴を上げるほど恐ろしいものだった…
『これで、藍川の画面は俺と共有状態になった。
そのアプリの名称はポケ○ンgoだけど、内容は○ケモンgoじゃない。これはスマホ専用のスパイウェアで、感染したスマホに表示されているものを俺のスマホに送るというすぐれものだ。一時期ポケモ○goのブームが凄まじかったし、なんとなく人のスマホを覗きたくなったんで、半日で作ってみたんだよ。
俺の端末じゃあ【青空電波】は発動できないけど、端末をウイルスに感染させて覗き見ることであれば、俺の科学力をもってすればいくらでもできてしまう』
『発射』
『危ない、伏せて!』
そのとき、ロレッタがユーチューバーのあまりにも酷すぎる謝罪動画から直径1メートルほどの火の玉を作り、”発射の合図”が黒と零のスマホに表示されたので、木々をなぎ倒しながら迫る火の玉をクロと零はとっさにかわす。
ロレッタの思念がクロと零のスマホに表示された。
『はあ、右手があちい…クロとあの女はどこ行ったんだ?』
クロは再び【青空電波】で会話を始める。
『さっきの見た?ロレッタの使う【百火繚乱】は火の玉をスマホの炎上しているウェブサイトから発射する能力だ。炎上具合で威力が違ってくるらしい。それと、この能力は諸刃の剣でね、使用者が必ず火傷を喰らう』
零は自分の思念をスマホに送ってクロと会話を始める。
零はクロのスパイウェアに感心しつつあった。
文字を打つ時間が省けるので、生の会話にも劣らぬスピードで意思疎通ができてしまう。
『クロ先輩…貴方ロレッタさんを本当に生き埋めにしようとしたのですか?』
『さっきロレッタがこぼしたあの台詞だな?ロレッタは俺に生き埋めにされそうになったと思ってるそうだが、それは違う。俺はあいつを生き埋めにしたつもりなんてないからね。
となると、人間1人分の知能を移植する実験中にロレッタは仮死状態になったと考えられる、それを当時の俺が死んだと勘違いして、供養してしまったというわけだ。
そして、何でロレッタが能力を持っているかというと、移植に使った脳が能力者由来だったからそれが偶然ロレッタに移ったものとみられる』
『そう…だったのですか…』
『ロレッタの攻撃をやめさせるには、一旦あいつを落ち着かせて話をするしかない。
あいつとも【青空電波】を共有状態にしてやりたいとこだけど、あいつのスマホの電話番号を知らないから送りつけられない』
『えっ…!?あのスマホはロレッタ本人のものではないのですか!?』
『スマホと一緒にロレッタを埋めるわけが無いよ。あのスマホは紛れもなく、ロレッタが襲った人間から盗んだものだ。スマホには水銀も鉛も入っているし、捨てるにしてもデータを完全にフォーマットして燃えないごみに出して再利用だからね』
事故とはいえ、化学薬品の爆発で半径20メートルほどの貴重な自然環境を著しく破壊した張本人が、環境保全について語る資格があるのか?
そんな疑問を抱きつつ、零は会話を続ける。
『メールを送れないというのなら…どうします?』
『AirDropなら何かしら送れる。あいつが持ってるのは対応機種だからな…』
「なんかこの草むらだけやけに明るいなーって思ったら、そんなとこに居たのかっ!」
ロレッタがほとんど至近距離で叫んできた。
スマホから出る光を辿ってきたらしい。
「覚悟しな、こんどこそ焼き尽くすわよ」
「こ…殺される…」
ロレッタはもう一度、画面にエネルギーを集め始めた。
今度は“暴言厨”による殺害予告がたくさん出てくるゲーム実況者のとある動画が写っている。
※暴言厨とは、ボイスチャットを通じて誹謗・中傷を行う悪質なプレイヤーを指すスラングである。
『発射』
『今です、クロ先輩!』
「よし、送信完了っと!」
その時、通知音とともに、火の玉が消滅する。ロレッタは”受け入れる”をタップして、クロからの文章を開いてくれた。
クロと零は安堵した。
文章を送ったということは、クロとロレッタのわだかまりがようやく解けるということを意味するからだ。
しかし…
「何よ、この、日本語でもクマ語でもウサギ語でもない言語は!?」
クロと零は撃沈した。
どうやら、文字化けを起こしていたらしい…
クロと零のスマホに、かなりユニークな会話が出力された。
『クロ先輩!大変申し訳ありません!私がスマホに機種依存文字で出力していたばかりにとんだ大失態を!』
『悪いのは俺だ、俺としたことが、機種依存文字を使って思念したせいで!』
「まったく、ふざけた文章を送って時間稼ぎするんじゃないわよ…
とにかく、森を破壊したうえに、わびる事もなく逃げようったってそうはいかないわ。
もう決めたわ、一気にとどめをさす。
あんたら二人に求める代償…それはあたいの必殺を食らってもらうことさ。
教えてやるわよ、”俺は嫌な思いしてないから”では済まされないってことをね!!!」
とどめの一撃は派手にやりたいらしい。ロレッタは灼熱のスマホを両手に持ち、空に掲げ始めた。
今までとは比にならないほどの膨大なエネルギーが猛スピードで収束していく。
「やべえ…!」
クロは恐怖した。
ロレッタが今、火の玉を生成するのに使っているサイトはとても有名なチャットの掲示板。
しかも、固定ハンドルネームで活動したとある人物が起こした、史上最悪ともいえる炎上を使うつもりなのである…
2秒も経たぬうちに、巨大な赤黒い火の玉は山はおろか、汐ノ目の上空までも覆い尽くしてしまい、日本の首都は巨大なオーブントースターと化したといっても過言ではないくらい暑くなった。
「やめとけっ!!!それ、チクシュルーブ衝突体より大きくなると思うよっ!!! 早く、一刻も早く消すんだっ!!!」
困惑する零をよそに、話の通じるロレッタは顔を真っ青にした。
「な、なんだって!?あの恐竜を滅ぼした隕石を超える!?早く止め…おわああああああああああああっ!!!」
温度が急上昇したスマホを思わず手放して倒れこむロレッタ。
ロレッタの両腕が赤黒い業火に焼かれている。
クロはとっさに自分の上着を脱いで、それを炎にかぶせて必死に踏みつけて消火した。
「クロ…こんなあたいをどうして…?」
「俺はお前のためなら何でもするって言ったろ?」
「あの…クロ先輩とロレッタさん。火の玉落ちてきてますよ…」
クロとロレッタが空を見上げると零の言ったとおり、火の玉が降下していくのが確認された。
零とクロのスマホの画面は動物や人々の絶望に満ちていた。
「おうふ!火の玉を消すんだったなあ。俺の分析によると、あの火の玉は、エネルギー源となるウェブサイトとは違う画面になった瞬間に消えるという性質を持っている。あの時、AirDropの通知が来て、火の玉が消滅したっしょ?」
「クロ、あんたのいうとおりだ。火の玉の存在を保つ条件は、同じ画面にし続けること」
「だが、今はエネルギーを放出しているスマホが物理的な意味で触れない状況にある。こうなったらやることは一つだ。
藍川、金属の箱をやるんで、スマホをしまって。これから、この世で最も危険な電波を出す」
「はい!!!」
「ロレッタ、お前のスマホ確実に壊れるけど、いいかな?」
「いいんだよ。そんなものより、あたいの家族を、あんたの町を守りな!」
「じゃあやるか!!」
クロが電波を出すと、まず、開いていた掲示板が跡形も無く消え、同時に、あの恐ろしい火の玉もあっさりと姿を消した。
それだけではない。さらに、検索エンジンの履歴、各種アプリ、時計機能、IDといったスマホ内にあるものが加速度的に消えていき、最後はバッテリーに引火して、スマホが自爆した…
日本の首都から脅威は去り、ビルの谷間から日の光が差し込み始める。
「クロ先輩、やりましたね!」
「やったよ。悪魔の電波兵器、”Doomsday Waves”を開発した甲斐があった!電波を受けたスマホを内部からどんどん破壊して、最終的に”自爆機能”を覚醒させる素晴しい電波だよ!
優秀な科学者で俺の右に出る者はいないぜ」
「あの…クロ先輩。ロレッタさんにあのことを伝えましょうよ。」
「そうだった!ロレッタ、お前に言いたい事がある」
クロはロレッタに、仮死状態だと気付かずに供養してしまったこと、実験に使った脳が偶然にも能力者のものだったということを話した…
こうして、クロとロレッタのわだかまりが長いときを経て解かれたのである。
ロレッタは、クロのことを憎んでしまった事を後悔し、クロは恐らく、生まれて始めて自分の非を認めた。
「そう…だったんだ……人殺し呼ばわりしてすまなかったよクロ」
「俺も、まだ生きているのに勝手に供養してすまなかった。破壊した森も俺が責任持って修復するよ」
「そうだ、あんたら車壊れちまって帰れないじゃないか。これからどうするんだい?」
「その心配はないよ。俺が車を手配するからな。」
そういってクロはスマホで誰かと電話すると、5分ほどでゆめかわいい車が山道を走ってきた。
操縦席に座っているのは、愛らしい幼女の姿に変形しているニャーちゃんだ。
「イェーーーイ、乗ってくかーーーい?」
「饅頭、ありがとよ!」
「ニャーちゃん、私も乗せて下さい!」
ゆめかわいい車に零が乗る。車内はきらびやかなラインストーンで飾られ、ゆめかわいい音楽が流れている。
もうお別れの時間か。そう考えるとロレッタは、クロが愛おしくてたまらなくなってきた。
『寂しくなるじゃないか。クロ、行かないで…』
すると、クロが零に助手席に座れと言い、ロレッタにこう言った。
「これでお別れな訳がないっしょロレッタ、お前も後部座席に乗るんだよ。」
「え!?」
「俺はお前に寂しい思いはさせたくないからな。これからは俺と一緒に仕事をしよう。山の土地は俺が全部買って、例の法律も制定して、お前の代わりに守り抜いてみせる。
それと、巨大な火の玉が出現した件については、報道機関に”俺が気まぐれで空亡を作ろうとしたらこうなった”とでも言っておくよ。それで奴らは信じきるからね!」
「クロ…!!!」
ロレッタは笑顔を取り戻し、車に乗り込む。
こうして、二人と、一頭の熊と、正体不明の饅頭はゆめかわいい音楽に揺られて明け方の汐ノ目をドライブしたのであった。
その後、クロはロレッタを真白の所に連れて行き、両腕の火傷を治してもらった。お金はクロが ”倫理的に正しいこと”で稼いだものを全額投じたとのこと。
山はクロが全て買い、今日も環境保全に勤めている。
零のスマホのことだが、クロから専用のフォーマットアプリを貰ってスパイウェアを消したので、もうクロは彼女のスマホを覗けないそうだ。
さらに、Itafのリーダー、真也にロレッタを紹介し、ロレッタは晴れてItafの仲間になれた。
今は優秀なメカニックとしてクロと共に働いている。
~ Flamboyant 完