そしてまた
いってーな・・・・・・。なんかこの感じデジャビュだ・・・・・・。
「ほっほっほ。かえって来るのが少しばかり早いんじゃ。」
「ほんの数時間前に聞いた声が聞こえる気がするんですけど」
「ちょっとなんでかーくん先に行って、先に死んでるの?」
「これは俺のせいじゃなくてこのおじいちゃんのせいだと思う・・・・・」
「そんなことどうでもいいもん・・・。一緒にいくって約束したじゃん」
「あれ?真理も死んじゃったのか?」
「死んだってどういう意味?」
「俺は死んでこっちの世界に来ちゃったから」
「そんな物騒なこと言わないでよ」
「ていうか先行っちゃたってどういう意味?」
「その言葉の通りなんだけど」
「あっちの世界に真理に会ったけど」
「ほっほっほっほっほ。痴話げんかもなかなか面白いものじゃ。」
「『面白いものじゃ』じゃないでしょ。もとはといえばあんたのミスだから・・・」
「なんか一瞬あっちの世界に行っただけでかなり性格が変わった気がするのじゃ。儂に対して少しじゃったが丁寧な言葉使っておったのに人は変わるものじゃ」
「そんなことどうでもいいんだけどちょっと気になってることがあるんですよ・・・。それは・・・どうしてずっと語尾に『じゃ』ってつけるんですか?」
「普通これくらいの老人になると『じゃ』ってつけないといけない決まりがあると思ってたんじゃ」
「いやそんな決まりないし・・・。ちょっとかっこいいとか思ってるんでしょ」
「いや・・・そんなこと思ってないよ・・・じゃ」
「今間違えたでしょ。なんか違和感があるからやめてよそれ」
「うむ分かったんじゃ」
「いやそれわかってなーい」
「なんでかーくんとおじいちゃんそんなになかよくなってるの?私だけおいて先に話すのやめてよ」
「真理考えてみろ全然話進んでないからな・・・。安心しろよ」
「そういえばかーくんなんで死んじゃったの?」
「なんでだったかな?たしかなんか急にふっとばされて死んだ」
「飛ばされた原因とかわからないの?」
「なんか変なものが地面から出てた記憶がある」
「変なものって?」
「カニの手みたいな感じだった。大きかったけど」
「そこって海の近く?」
「違う。なんか砂漠みたいな感じ」
「ちょっとそれあんた・・・・・・。かーくん?それサソリだと思うんだけど・・・」
「確かに言われてみればそうかも」
「そういえばだれかとずっと行動していたようだけど・・・。あれは誰なの?」
「記憶をなくした真理だった」
「え、私あっちの世界に行ってないって言ってるじゃん」
「でも確かにあれは真理だったと思うんだけど・・・」
「私と私の偽物の違いを見分けられないなんて夫失格だぞ」
「まあそんなに怒るなって・・・」
「どこが怒ってるようにみえるのかな?」
「はい・・すみませんでした・・・僕が見分けられなかったのが悪いです」
「行く前にかーくん、おじいちゃんにお金を頼んでたけどまさか私の偽物に渡したりはしてないよね?」
「うーん・・・・・・少しだけ渡した」
「少しってどれくらいのこと?」
「28枚くらい」
「それってまさか全部じゃないよね?」
「確か儂が愛しの快生くんに渡した金貨は全部で・・・」
「あーあーあー。こちら異世界転生受付所です。あーごめん。なんか話途切れさせっちゃって。で何の話してたんだっけ?」
「かーくんが全部で何枚おじいちゃんからもらったかって話だけど」
「うーん。200枚くらいあったと思うよ」
「なんで28枚っていう微妙な数渡したの?」
「気分だよ。き、ぶ、ん」
「で、私がいない間に偽物の私と楽しんでたみたいだけど?」
「なんでそこに戻ってくるんだよ?」
「まさか嫉妬?」
「ち、ちがうよ。嫉妬なんかいちどもしたことないし」
「うそだろ。だって真理顔に私今嫉妬してますって書いてあるもん」
え、えとあたふたしながら顔をごしごしと拭いている」
「お二人さん、ラブラブなのはもう分かったから早く異世界転生するんじゃ」
「え?2度目もあるの?」
「こっち側のミスで片方しか行けなかったんだからあたりまえなんじゃ。
「まあ言われてみればそうか・・・。でもなんでそんなに急いでるの?また・・・」
「そんなにわかりきってるんじゃ。出勤は8時、帰宅は17時って決まってるからじゃ」
「公務員かよ・・・・・・」
「ゲームもしたいんじゃ」
「あ、それが本音ですね!!」
「じゃ早速行ってらっしゃいなんじゃ」
無視かい
「こんどは変なところに飛ばすんじゃないぞ。真理ももう準備OK?」
「もう待ちくたびれたんだけど」
「じゃあ・・・いくんじゃ・・・地、水、火、風、空、五つすべてを統括し陳の許可とタナトスとヒュプノスの力により汝らを深い眠りから目覚めさせよ」
さっきと同じように大小さまざまな魔法陣が展開される
「ディープアライブ!!」
「相変わらず中二病だ」
「真理ちょっと痛いけど我慢しろよ」
腕や足がいろいろなところから引っ張られてるかのような感覚に襲われそこで意識が途切れた・・・