無人町のおはなし⑥
お久しぶりの投稿です。
夕日に照らされている閑散とした公園の中、真李はポツリと呟く。
「ここ、どこ…?」
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突然現れた"真っ赤な鳥居"を眼にした後、真李の意識がなくなり、気付いたら見知らぬ公園の中だった。
真李は何が起こったのか分からず、恐怖と不安で顔を強張らせながら、周囲を見渡す。
今の状況をまだ理解できていないが、何となく"ここ"にいてはいけない気がしたので、公園の出入り口まで移動する。
真李は物心が付く前から感が妙に鋭い。
特に、嫌な予感がすると大体当たるので、なるべく従う様にしている。
ここ最近のもので特に助かったのは、下校中の時いつもと同じ場所を歩いていると、何となく其所の道を歩きたく無くなったので違う道を通ったのだ。次の日、真李が嫌だと思った場所で誘拐未遂事件があったと連絡が来たのだ。
そして今回も、真李は感を遺憾なく発揮していく。
この道は嫌だ、こっちは行きたく無い、ここは危ない様な気がする、と公園から出てあっちへフラフラ、こっちへフラフラ自分の感を頼りに歩いていく。
暫くすると、《●●神社→》と伏字で書かれている看板が長い階段の横に立ててあるのを見つけ、少し疲れてきた脚を休ませるために階段に座った。
真李は、ボーっと空を見ながらこれからどうすれば良いのか考える。
此処まで歩いている時、今の状況が学校で友達が言っていた"無人町"に似ている事に気が付いた真李は、震えそうになる身体を何とか我慢して歩いていた。
どうやったら此処を出れるのか、自分は無事に帰る事ができるのか……。
どんなに考えても全く解らず、不安と恐怖に段々泣きそうになっていた時──────────
「だから気をつけてって言ったのに」
真李の直ぐ前から聞き覚えのある少女の声がした。
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