最初のおはなし
見ていただき
ありがとうございます!
やぁはじめまして。
早速だけど、君たちが行っている…もしくは行っていた学校には七不思議はあった?まぁ七つは無くても、一つはあったかもしれないね。
人間が造った建物のほとんどは、不思議なことが一つ二つあることが多い。
ここで君たちに聞きたいことがあるんだ。
怪異たちが暮らす建物を壊したとき、その怪異たちはどうなるんだろう……。
別の建物に移動するのだろうか……
新しくなった同じ場所で復活するのだろうか……
建物と一緒に消えてしまうのだろうか……
考えれば出てくる沢山の答え。
どれも当たっていて、どれも当たらない。
君たちはどんな答えが出たかな?
やっぱり、消えちゃうのかな?
その建物から生まれた怪異はそこに縛り付けられてしまう。簡単に言えば、地縛霊に似た感じかな?だから逃げることができない。
人間が勝手に創って勝手に消していく、怪異にも心はあるのに。
でも"彼等"は人間が大好きなんだ……。
人間を弄ることが大好きで、それと同じ位人間が大好きな"彼等"。
私は永いこと存在していたから強い力を持っている。だから、人間を排除するのは簡単だ……でも私は、人間を愛しく想っている。永い間さまざまな人間を見てきた。
人間は醜いほど貪欲な存在が多い、だがそれは場合によって美しく変化することがある。
貪欲だからこそ夢を叶え、キラキラと輝き前へ歩き続けることができる。貪欲だからこそ人々を勇気付けることができる。貪欲だからこそ助けられ、救われた存在がいる。
"人間は醜く美しい"
誰かがそんなことを言っていた。私もそんな人間に魅入ってしまった。
どんな状況でも人間が大好きだという"彼等"が、私は大好きだ。
醜くも美しく生きる人間が、私は大好きだ。
だから私は、新しい答えを創った。人間を排除せずに彼等を助ける方法を………。
結果、私が創った答えは大成功だった。
まぁ、危なく私自身が力の使いすぎで消えて無くなるところだったが………。
無理をするなと"彼等"に怒られてしまったが、後悔はしていない。ちょっと反省はしているけど……。
そして私は、また少し力が強くなった。そこで私は旅に出ることにした。
私たちが暮らす場所はかなりの田舎だ。だからなのか、他の"人ならざる者"よりも現代の情報に疎かったりする。だがつい最近、とある都会から来た奴等からある情報を聞いた。
曰く、怪異に巻き込まれる人の子が増えたと…
曰く、呪いや魔術に魅入られる人の子が多くなったと…
曰く、時代が進むことで新しく生まれた"人ならざる者"が、暴れていると…
只でさえ、昔から良くない者が多くいるのに増えている。それも人の子が被害にあっている。知ってしまえば見て見ぬふりはできない……今まで"彼等"のことが心残りだったが、それももう解決した。
"彼等"に私は旅に出ることをいった。
暫くの間"彼等"と別れるが、また必ず会う為の言葉を………
『行ってきます』
『『『行ってらっしゃい!!』』』
あぁ、そういえば私の自己紹介を言ってなかったね。
私は【トイレの花子さん】みんなからは【花さん】って呼ばれているんだ、よろしくね。