17話 僕
短いです。
僕は母親の理想に沿って構成されている。それは否定しようもないだろう。
僕を構成する要素、勉強と読書。それはどちらも、初めは母親に強制されたものだ。
僕は、母親の思い描いた理想の子供なのか。いや、僕が理想って、母親望み低くないか? このコミュ症気取ってる奴が理想って、普通ないだろ。
まぁ、僕が理想を体現しているかは置いておいて、僕が母親の意志から構成されていることは間違いない。
気持ち悪いな、僕。
内心、母親のことをバカにして、嫌いなり苦手なり思っているくせに、母親に逆らうことはしない。逆らわないどころか、その人間性は母親に依存している。
なんなんだよ、僕。
僕は自分のことが嫌いじゃない。自分という人間のあり方は、嫌いじゃない、はずだ。でも、母親の理想と自分を重ねると、途端に自分をぶっ壊してしまいたくなる。
目の前にある睡眠薬を大量に飲もうか、そんな気持ちになる。
市販の睡眠薬なんて多量摂取したところで、何も起こりやしない。明日の試験に遅刻するくらいだ。そう冷静に考える自分がいた。
僕は、僕という人間から、母親の影響を抜き取ったら何が残る?
考えるのが嫌になった。眠ってしまいたかった。まったく眠くなかった。
今の僕は冷静ではない。そうメタ的に認識する冷静な自分もいた。僕は一体どう思考をしている?
わからないのだ。
わからないは怖いに繋がる。
僕はなぜか、大声を出したい衝動に駆られた。なぜだ。わからない。怖い。
どこかで冷静な僕がいて、声なんてあげれば面倒なことになると理解していた。
頭の中がぐちゃぐちゃだった。
僕は頭を掻きむしった。
何やってんだ、僕。バカじゃないのか。
冷静な自分が、しきりそう言う。
バカだ。バカなことを考えて、勝手におかしくなっているだけ。
でも、それを理解してても、やはり冷静になりきれない自分もいて。
僕はただ、思考を一旦捨てるために、家を出て外へと向かった。




