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15話 ランチタイム

 短いです。うまく切れませんでした。


 図書室から書道室へと向かう。その間には、真面目に文化祭の準備に取り掛かる人が多数いて、通りづらい。


 一浜の文化祭では、クラスは一部の例外を除いて自分たちの教室で出し物を行うことが決まっている。こちら、職員棟で準備をしているのは部活関連がほとんどだ。


「漫研さーん、お昼食べるのに場所貸してくれませんかー」


 書道室のドアをノックして、部長はそう宣う。ノックの回数は3回だった。


「文芸部さん? あれ、今日はいないと思ってたんだけど」


 出てきたのはあのセールスマン然とした部長だ。


「図書室で仕事してたー」


「そうなんですか。お昼ですよね、いいですよ。その代わり、明日は文集買ってくださいね」


 やっぱりセールスマンだったか、そんなことはもちろん口には出さず、ただありがとうございますと言って場所を借りる。


 僕たちが呑気に昼食を食べている間にも、漫研部員は内装を整える等の準備を進めていた。どう考えても邪魔になっている。さっさと撤収しよう。


 部長も僕も紅林さんも、昼食は揃ってパンだ。それも、学校で売られるものではなくコンビニで買ったパン。なので、早く済ませようと思えばすぐに食べ終わる。


 と、僕は思ったわけだが、そんなことを気にしない人もいる。


「いやー、明日から文化祭だねー」


 部長はランチタイムの会話と洒落込むのだった。まぁ、この人はこういう人だ。


「そうですね。2学期になってからあっという間でした」


 紅林さんもその会話に乗る。この人もこういう人か。僕はそんな2人を横目に、昼食を食べ終わった。


「蒼くん食べるのはやーい」


「いや、邪魔になってますし、はやく済ませてた方がいいかと」


 僕がそういうと漫研の部長の耳にも入ったようで、


「気にしなくていいですよ。ゆっくり食べてください。その代わり、明日はお願いします」


 と言われた。商魂たくましい。


「だってさ」


「もう食べ終わりましたから」


 商魂たくましいあの人はいいと言っているが、邪魔にはなっているだろう。まぁ、気にしないこともできるが、別にゆっくり昼食を食べることにこだわりなんてない。


「2人とも、明日明後日はクラスの方は結局どうなの?」


 どうなのだろう。担任からはまだ何も言われていない。クラスメイトは僕に仕事を振ったりしないだろう。僕の仕事はあのゴミ箱のお化けを作った時点で終わりだ。


「あの、松田先生から、真白先輩の首に1組の宣伝看板をかけなさいと言われたのですが……」


「まっつーの頼みなら引き受けた」


 即座に承諾する部長であった。するとこの人は首からダンボール製の看板を2つかけるのか。そのうち重いとか言い出して押し付けてきそうな気がする。それも、自分のクラスの方を。


「それが私の仕事ってことになりました。真白先輩の横にいるのが仕事らしいです」


 それは松田先生の方便だろう。


「僕の方は今のところ何も言われていません。前日の時点で何も言われてないので、まぁ、ないと思います」


「よぉし。蒼くん、妹ちゃんは?」


「明日と明後日のどっちに来るかすら知りません」


「えぇー。兄妹仲悪いの?」


 散々シスコンとか言っといてそれか。


「悪くはないですね。いいわけでもありませんけど」


 漫研の部室で妹の話なんてしたくないんだが。居心地の悪さが増大する。


「わたしひとりっ子だから、兄妹って小説の中のイメージなんだよねー。だから、お兄ちゃんって妹が大好きなのが当たり前だと思ってる」


 どこのラノベだ。そんなわけはない。例えば妹が病気になっても気にしな、いや、それは病気の程度によるか。妹が風邪を引いたくらいなら気にしない。


「妹だって家族という意味で母親と大差ありませんよ」


「蒼くん、マザコン?」


 なぜそうなる。


「はやく食べ終わってください。漫研の人の視線が痛いです」


 そう言っても、部長はゆっくりとパンをはむはむと食べるのだった。


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