22話 七不思議創作
リアル多忙にて、23話の投稿を1週間遅らせます。社会人の忙しさが身にしみます……。
高校生の中でSNSをやっていない者の割合はどれくらいだろうか。Twitter、Facebook、Instagram あたりを筆頭に多くの高校生はなんらかのSNSにアカウントを持っている。
LINEもSNS認定をするなら、僕もSNSを利用していることになるわけだが、タイムライン機能なんて使ったこともないし、いわゆるSNSというものを僕は使っていないと言っていいと思う。
SNSは簡単に情報の共有ができるツールであり、うまく使えばかなり便利なのだろうとは思うのだが、どうにも気が進まず使っていない。
好きな作家や出版社の公式Twitterのチェックなんかはすることもあるので、別に利用をしていないわけではない。が、自ら何かを発信する気にはならない。
発信したいものもなければ、発信する理由もない。世の高校生がいったい何をそんなに発信しているのかかなり謎だ。
昼食の写真を撮って投稿することの何が楽しいのかさっぱり理解できない。
というような考えでいわゆるSNSとは一歩引いていた僕なのだが、そんな僕は今、Twitterを注視していた。
きっかけは、妹から見せられた「一浜高校生徒会公式Twitter」と「一浜高校生徒会非公式Twitter」の2つ。
前者は紺野兄が会長になってからしばらくして運営が始まったもので、存在くらいは知っていた。こちらはいい。
問題は後者で、生徒会の一員を名乗る個人がつい最近始めたものらしい。内容は概ね、普通の高校生のやる至極どうでもいいTwitterなのだが。
『春休み! 新入生、結構部活見に来てる、でも、生徒会の見学には誰も来ねー(ㆀ˘・з・˘)』
『体験入部期間なので、新入生に練習参加を強制するのは禁止です!』
『ミステリー研究会って何? そんな部活知らないんですけど。勧誘ポスター出てたってどういうこと? 行ってみたら現物ないし(・・?)』
『許可印のないポスターを発見した場合は、剥がして生徒会か職員室にお願いします!』
新入生の練習参加については公式Twitterを引用しているが、ポスターについては引用はなく、公式の方では全く触れられていない。
フォロワーはそんなに多くないが、フォロー数は結構多い。妹もなんかフォローされたから見たとか。
まぁ、たぶんだが山城くんの仕業なのだろう。彼は思ったよりやんちゃな性格らしい。
生徒会の皮を被って信用度を上げているわけだが、生徒会の内情を知る手段はあるのだろうか。ないなら、すぐにボロが出そうな気もするが。
文芸部にリスクにない形と言ったから、山城くん個人で開始したとか、そんなところなんだろうけど、まさか本当にやるとは。
これは僕の関係ないところで起こっている出来事として無視してもいい。というより、無視するつもりではある。
なりすましアカウントというのはまた悪質な感じだが、具体的に誰かになりすましているわけでもないし、いいか。いいのか? まぁ、この手のものは騙される方が悪いとも言える。
別に手が込んだ何かをしているわけでもないのだ、放っておこう。僕はそう結論付けた。
それが中々面倒な流れになってしまったのは、僕の不注意に他ならない。
『真っ白最高: それ、秘密倶楽部じゃなくて、幻の生徒会役員を作りにいけない? 生徒会には隠れたメンバーがいる!』
雑談という形で菜子さんに話してしまった。当然のように、菜子さんはこれに食いついた。
『蒼井陸斗: 幻の生徒会役員って、ただのなりすましだって誰もが分かりますよ』
『真っ白最高: そこはその期待の新人の腕の見せ所でしょ。生徒会なんて別に大した事やってないんだし、なりすましくらい余裕、余裕』
『真っ白最高: 生徒会には幻の広報がいるって話から、実は幻の書記がいる、会計がいる、そのうち、実は影の生徒会があって、表はその傀儡に過ぎないって感じにできないかな』
『蒼井陸斗: そんなめちゃくちゃな』
『真っ白最高: 学校の七不思議を自分で作る、面白い! 乗った! わたしが乗ったから、蒼くんも自動的に乗った!』
『蒼井陸斗: いや、乗ってないんですけど』
『真っ白最高: いいじゃん、乗ろうよ』
『蒼井陸斗: いや、なんか面倒事になったら嫌ですし』
『真っ白最高: その時は現在勝手に暴走中の1年生くんを生贄に捧げればいいんだよ。どうせ、わたしたちが何もしなくても動いちゃうわけだし』
後輩をスケープゴートにせよと。先輩にあるまじき言動だ。いや、まぁ、責任の所在はどこかと言われれば、そりゃ山城くんだと思うわけだが。
『蒼井陸斗: 山城くんが色々やるのを見守るのは別にいいですけど。僕たちからなんか介入する余地もないんじゃないですか?』
『真っ白最高: 幻の生徒会広報に信憑性を持たせることはできるんじゃない? もちろん、Twitter上で』
『蒼井陸斗: 新規にアカウントをつくって、その生徒会広報の目撃情報でも拡散するんですか? アカウントが今年の春に作られたものばかりって時点でかなり疑わしくなりますけど』
『真っ白最高: 今回のターゲットはそれでも噂を広めちゃうリテラシー低めの高校生たちなわけだし。高校生って信憑性がなくても、情報が増えるだけで拡散したくなる生き物だから。特に女子高生は』
とまぁ、菜子さんが乱入することになり、この一浜七不思議創作が僕としてはあまり乗り気でないままに始まってしまった。




