憂鬱
次の日の朝から子供二人の体調がにわかにすぐれず、特に上の子は
持病の喘息を出して調子が悪そうだった。
子供の体調の変化ははやい。
朝のうちはまだ良かったんだけど、昼からは起き上がることも出来ず苦しそうに呼吸をし始めた。
夜勤帰りで寝ている旦那を起こしたんだけど一向に起きない。
待ってるわけに行かなくて行きつけの総合病院の
救急に電話した。
すぐに来るよういわれ、急いで支度をし車を走らせた。
下の子は熱があるのかグズグズとむずがる。
上の子は肩で大きく息をしていて唇がすでに紫がかったような状態だった。
二人を抱えて救急外来に入り、上の子が特に調子の悪いことを伝えると
すぐ診察室へ通された。
『少しの間ね、そうだなぁ。一週間程度になると思うけど・・・。
このまま入院ということでね。』
先生に言われ、三人病室に移ることになった。
これからじっくりと時間をかけて上の子に点滴が注入されるらしい。
個室だったのは幸いだったけど、三人で入院ってこれは絶対きびしい。
上の子は点滴のお陰で少し楽になってきたのかスヤスヤ眠りはじめて安心した。
下の子はしばらくキョロキョロ落ち着かないようだったけど
疲れたのか、私の腕の中で眠り始めた。
そっと上の子の隣に寝かせ、やっと一人の時間だ。
急に疲れが出たような気になりベッドの脇に突っ伏した。
点滴が終わるのは多分夕方だろう。
今になって夕べのかずやとの電話のやり取りが急に頭に思い浮かんだ。
(昨日から今日にかけて散々だよ全く・・・。)
それなのに・・・・・。
(かずやはどうしてるんだろ・・・)
(もう終わっちまったって思ってんのかも・・・)
考えれば考えるほど未練タラタラの思いばかりが並ぶ。
だけど・・・・結局・・・・
《かずやとは、ハナからうまくゆくものではなかった。
お前はただの主婦に・・・育児に・・・専念せよ!!!》
と神様がお告げを下したんだろうなんて・・・・。
自分なりにそんな解釈をしつつ
気分はすこぶる憂鬱のまま、こうして病院での一日目は過ぎていった。