偶像
その夜から旦那は夜勤だったから、子供が寝るのを待って久しぶりツーショットで
稼ぐ作戦に出た。
だけど伝言が・・・。気になって気になって気になって・・・・。
結局伝言へと入ってしまった。
698 かずや から伝言が入っていた。
『今日はどしたんかなぁ・・・心配してます。
体調でも悪くなったんやないかと思ってるんやけど・・・。
それやったら無理せんでえーからね。おねえさんからの返事いつでも待ってます。』
(ごめんね・・・。さよなら。)
そしてひたすら、つらつらと。ひたすら時間をかけながら。
たわいもない会話の波のなかに身を沈めていた。
次の日もかずやは頭から離れずにいた。
私の頭の中にはすでに、かずやという偶像が出来上がっていて
私はその偶像をいとおしく思い始めていたんだ。
その日もかずやに伝言することはなかった。
だけどかずやのことは片時も頭から離れなかった。
(どうしてるかな・・・かずや。もう仕事は終わってるだろうけど・・・。)
結局夜になると、かずやからの伝言が来ているのか気になってどうしようもなくなり
確かめずにはいられない自分がいた。
かずやから三件伝言が来てた。
『おねえさん・・・オレ・・・なんか気に障るこというてもーたんかな?・・・
仕事しよっても、ずっと一日おねえさんのこと考えてもーて・・・。
返事くれたら・・・元気になれるんやけど・・・今はめっちゃオレ・・・
情けないけど・・・落ち込んでます・・・。』
『・・・もしかして、返事がもう来ないなんてことではないよね・・・。
おねえさん・・・返事ください・・・お願いします。』
『このままってのは嫌だから・・・。嫌われたんなら嫌われたでかまわんけん。
なぜなんかが知りたいです。返事だけはください。お願いします。・・・。』
耐えられなかった。耐えれそうにもなかった。
かずやに返事を返した。
『・・・。私は結婚していて子供もいて・・・家庭があつて・・・。
今まで嘘だらけでした。ごめんなさい。かずや・・・げんきでいて・・・。
ありがと、さよなら・・・。』
かずやからの返事
『おねえさん、ほんとのことゆーてくれてありがとう。ここのところ
オレもいろいろ考えてて・・・。もしかしたらそういうこともありうるんやろうと・・・。
それでも・・・。好きで・・・今めちゃ・・・おねえさんにあいたいと思う。』
かずやと結局終わらせることは出来なくなってしまった。終わりたくない気持ちだった。
会いたい!!会ってみたい気持ちを抑えることも出来なくなってた。
私の都合のいい日・・・かずやが休みを調整して会う約束をした。
そして来週の月曜日・・・かずやと会える。