カード
大家さんとのやり取りがあまりにも突然で、衝撃だった私は、部屋でしばらくまたボー然となっていた。
握り締めてる財布の中身ももう残り少ない。
このままじゃとてもやってけない・・・そう確信した。
私はそのまま階段を駆け降り、外に出た。
コンビニの公衆電話から県住の自宅に電話した。
旦那は今日も夕勤のはず、だから普通だと今の時間寝てる。
電話に出てはくれないかも知れない。
だけどかけずにはいられなかった。
心臓がドキドキしてマジ破裂しそう。
呼び出し音は留守番メッセージへと変わった。
仕方なく切ろうと思ったとき
『もしもし・・・』
旦那の声が聞こえた。
『もしもし・・・私・・・』
『・・・・・』
しばらくお互い沈黙してたけど
『なんなぁ?・・・』
先に切り出したのは旦那だった。
『子供たちは?』
『元気にしとる。』
『今、どこに預けてんの?アンタの・・・
『それはもうおめぇには関係ね〜話だろ?・・・』
旦那が遮った。
穏やかにいきたかった。
そぉ心してかけたつもりでいたけど、その旦那の言葉に
見事に打ち砕かれた。
『会わせて!!・・・何ならこれから子供に会いに行く!!』
『ふざけんなっ!!そんな勝手なマネ絶対に許さん!!』
『子供のこともすべて、もうワシと親でこれからのことは決める!!』
『勝手すぎるわっ!!子供のことアンタにわかるわけね〜じゃん!!』
『うるせぇ!!仕方ね〜、そう納得させるだけじゃ!!』
結局修羅場へと向かった。
『もうええ!!切るぞ!!』
旦那が言った瞬間
『私の物返して!!』
って言い放った。
『おめぇのもの??』
『そこに山ほどあるじゃろ!!』
『・・・。ふん!確かにな・・・あ〜そうか!!』
旦那はあざけるような感じで
『おめぇにそういや用事があった・・・』
『なによ・・・。』
『銀行のカード返せ!!まさか使い込んでねーだろうな!!』
『・・・・。最悪!!』
こっちから切ってやる!!と思った時
『ええか!!よぉ聞けよ!!』
旦那が言った。
『明日ワシは休みじゃ。おめぇに一時間くれてやる。
その間に自分のもん運び出せ!!来るとき電話したら
そん時ワシは外に出とく。
必ずカードは置いとけよ!!じゃあな。』
そういうと電話は一方的に切れた。
かずやが帰ってきてそのことを話した。
仕事終わったらすぐ、一緒にいこうってことになった。
その後、水道代のことを切り出してみた。
かずやはバツが悪そうに
『なんであやに言うわけ!?・・・』
ってブツクサ言ってふてた。
『これからはちゃんとしろ!!』
かずやのふくれっ面に
『アーンパンチ!!』
したら、すかさず
『バイバイキーン!!』
って崩れ落ちた。
私は水道代のことなんかよりも
明日のことで頭はいっぱいだったんだ。