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ゴースト・サモナー  作者: 彼岸花かなと
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第三話 貴方は私と旅立ちます。

第三話です。三日坊主にならないように気を付けます。


登場人物紹介

ネコマタ

聖霊学園の教師。普段、外に出ないのだが、今回は特例として二人の入学手続きを行うこととなった。性別は不明。シルクハットを深く被り、黒いロングコートを羽織っている。

 まるで血に染まったような赤い夕陽が沈む中、その時が来た。


 「そろそろ、迎えとやらが来るのかね、夕花」

俺は彼女に問いかける。透明な彼女は夕日に照らされて、輝いていた。それだけだったら可愛い女の子だ。頭がおかしいこと以外。


 「流斗、、、気を付けて。貴方は迎えが来て、直ぐに学園に連れていってくれると思ってるみたいだけど、現実はそう甘くないよ。」

彼女は真剣な面持ちである。


 「そ、そうなのか。」

俺は唾をのみこんだ。親父の野郎ふざけたことしやがって。これで死んだら100年祟ってやる。今のうちに、祟り方を夕花に聞いておくか。


 「おい、夕花。祟り方って、、、、」



 その時だった。


 突如、俺らの目の前に魔法陣?みたいなもんが広がりだした。漢字みたいな文字列が馬鹿みたいに溢れ出している。その広がりは人が一人立って居られるサイズになり、黒い渦を巻きだした。


 「一体何が出てくることやら、、、、、」


 「流斗、一応離れていて。何かあったらただじゃすまないから。」


 「お、、、おう。」


 渦はどんどん大きくなり、ついには人型になっていった。そして、、、、、一人の人(?)が俺たちの前に降り立った。



 「おやおやおや、これは可愛らしいカップルさんですねぇ、、、ワタクシ嫉妬しちゃいますよぉ」


 シルクハットの様な帽子を深く被り、黒いロングコートを羽織った中性的な容姿の彼(彼女)はニヤニヤしていた。その猫のような両眼は俺らを鋭く観察している。


 「あんたが迎えの人、、、なのか?」


 「エエェ!!その通りデス。ワタクシ、聖霊学園の教師を務めているネコマタと申します。以後お見知りおきを。彼氏さん。」

 彼(ということにしておこう。)は目を細めて俺を見た。


 彼のインパクトの強さで気づかなかったのだが、体がうまく動かない。これは、、、金縛りってやつなのか?それとも彼の怪異ともいえる容姿に臆しているのだろうか。


 「ふむ、、、怪異適正はさほどなさそうですね。となると、生まれつきの能力ってことカナ。フフッ、これは鍛えがいがありますね。ああ!お名前は聞いてますよ!九鬼流斗クン。」

 そういって、彼は俺の腕を掴む。その力は、まるで捕食する獲物に巻き付く蛇の様な強さだった。


 「痛ッ!!」


 「流斗くん!!!」

 夕花が俺に近づこうとする。


 「おっと、キミは動かないでもらおう。夕花チャン。彼氏の腕がポキリッ!だよ!キミに動かれるとろくなことにならないって聞いてるからネ。」

 

 「流斗にこれ以上何かするなら、容赦しないよ。」

夕花の雰囲気が変わる。夕日の様な明るさは、死を予期させる冷たい雰囲気をまといだした。正直、俺はもうその場を逃げ出したい。何これ?最終決戦か何かですか?マジで親父、次会ったら殺してやるからな!



 

 にらみ合いは5分ほど続いた。






 「、、、、、、フフッ。ハハハハハハ!いやね、ワタクシ、久々の入学手続きでテンション上がっていました!!!流斗サン、申し訳ないですネ。」

 そういってネコマタは俺の腕を離した。特に腕に異常はなさそうだ。夕花が寄ってくる。


 「流斗!大丈夫?」


 「ああ、何ともないよ。」


 どうやら完全に手をぬかれていたようだ。ネコマタはどこからかステッキを取り出し、口笛を吹きながら回している。



 「ネコマタ先生」


 「ん?何ですか流斗クン。」


 「俺を、俺たちを迎えに来たんですよね?」


 「Oh!そうでしたネ!こうしている時間がもったいないです。時間は学園に着いてからでも死ぬほどありますからネ!」


 彼はステッキを空中に放り投げた、するとステッキが古ぼけた、大きな木の扉となった。扉には髑髏の装飾が痛々しいほどに施されている。


 「さてと、、、、、じゃ、行きますかネ!お二人とも私の服をつかんどいてくださいネ!戻れなくなりますから、、、」ネコマタの目は怪しく光っていた。


 俺と夕花はネコマタのコートを掴んだ。


 「流斗、、、、」


 「夕花、、、、大丈夫。行こう。」


 「覚悟はできましたネ!では参りまス!!」


 扉はバタンッと開き、その先は黒い空間しか見えない。強い風が吹き付けてくる。


 

 三人は扉に向かい、走り出した。そして、空間に触れた瞬間、三人を通したドアは黒い輝きを放ち、消えた。





 


 ネコマタは空間にあたる瞬間、後ろをチラリと見た。流斗は目を瞑っている。夕花は、、、、










 その赤い目を輝かせ、三日月のように口を広げていた。


お付き合い頂きありがとうございます。感想等ありましたら、気軽によろしくお願いいたします。

ではまた次の話で。おやすみなさい(夜なので)

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