プロローグ
はじめまして。彼岸花かなとです。
運命の出会いってのを君は信じるだろうか?
この出会いは運命だねと話すカップルがいる。これは運命だからとあきらめる人がいる。
都合のいい話だ。本当に運命なんてものがあるなら人は生まれてから死ぬまで物事を決められていることになる。運命なんてない、全て偶然が生んだ産物だと俺は思う。
例えば、俺がしがない住職と巫女の一人息子であることも偶然。なぜか幽霊が見えることも偶然。そのせいで昔、怖がられ、いじめられたことも偶然だ。まぁ、今となっては平凡な高校生として生活できているけど。
君も考えてもみてくれ。目の前から頭から血を流したサラリーマンの霊が歩いてくるとしよう。恐怖、混乱が君を襲うだろう。俺はこれを物心ついた頃から見てきたんだ。慣れるとかわいいもんだよ、ホント。一人でも話し相手には困らないしね。
さて、俺が何故こんなことを考え、文字にしているのかというと、高校二年になる前の春休みにあった出来事が理由だ。幽霊が見える以外、平凡な人生を送っていた俺に突然訪れた日常の終わり、そして出会いの始まり。
俺はこれを文字に表したいと思ったんだ。
親から命じられた転校、召霊士なる者の存在、いろんなものがごちゃ混ぜになって降りかかってくる。そして俺は、、、、
幽霊に、恋をした。
これは俺と透明な彼女(?)の物語。
今回はプロローグとなります。ではまた次回のお話で。