おーくたんとようじょさん
「よろ、しくて。かくごはよろしくしてね」
「はいはい、覚悟しましたよ」
「はいはいっかいでよろしくしてなのよ」
「はい」
豚のような顔をした男と幼い女の子が向かい合わせで地べたに座り込んでいる。
お互いに両足を揃えて膝を曲げて座っているため、体重で膝から下の足が潰され、男の鼻息は荒くなっている。
「まいりますわなのよ」
女の子が勢いをつけて立ち上がる。その右手は人差し指だけ伸ばし他の指はむすばれ、ある方向を指した。
「 あっちむいてぇ、ほいっ」
男はその指を見てからそちらに顔を向けた。
「んにゅ」
「あぁれぇまぁけぇたぁぁ」
女の子の声が聞こえると男は大きな声を震わせながら体を後ろに倒し転んだ。
男は早々と足を解放したのだった。