flower 〜四宮一菜side〜
「2人で考えた。どれくらい時間が経ったかは分からなかったけど、長い時間考えた。そして、君が答えを見つけ出した。僕を思いやった1番酷い方法。結局それも失敗した。だけど、その方法は、君に出来なくても、僕には出来る。」
「どういう事……?」
「こういう事」
持っていたナイフを自らの首に向ける。
「なっ…………!」
「僕の誕生日は4月の1日。エイプリルフールだよ。嘘をついた人間がこの屋敷にいる限り……僕がいる限り、終わらない」
「いや……いや……」
「こんなんだけどさ、君を守りたかったんだ」
「やめてええぇ!!」
手を伸ばしても届かない。
私の視界が真っ赤に染まる。
そして黄色へと変わっていく。
どこからか光が落ちてくる。
段々と色が変わり、最後には消えてしまう光。
私の目から落ちていた。
石や花みたいに、私は何も残らない。
ただただ消えていく。
『おめでとうございます。四宮一菜様。クリアで御座います。』
「……だ。……まだ、終わってない! このままじゃ終われない!!出来の悪い話でも、このまま終わらせない!!!」
激しい目眩と吐き気、頭痛が襲うと共に、私は床の花だまりに崩れた。