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refrain -55- 〜四宮一菜side〜

「……ちょっと待って。私が最後にロビーに行ったはずでしょ? 私が行った時にはもう全員いたもの。それに、皆の死因が違うし、私……貴方を励ました記憶なんか…………」

頭がまとまらない。

また有路さんが嘘をついているのか……。

もし本当だったら、私が今まで見てきたものは何……?


「前に、「覚えてる?」って質問したの覚えてる?」

「…………はい」

「僕は、もう何回も、この事件を体験してる」

「………………は?」

何言ってんの。

「信じられないよね。その内に何度も全員で助かる方法を考えた。そして全部失敗に終わった。何度も君が死ぬところを見てきた」

「私はこうして生きて

「言ったろ? …………僕は繰り返してきたんだ。何度も何度も何度も。いつしか、あれだけ泣いて吐いてしてきた死体にも慣れた」

「でも……そんなゲームみたいな事がありえるんですか。漫画、小説、曲でも使われてきたような事があるんですか。そんな現実離れし過ぎた事が」

「元々、全員ここにいる事自体おかしいでしょ? 耐久力が異常に高い窓やドア。一部ならまだありえるけれど、1年前の嘘だけを、ピンポイントに記憶から消された事。血がそれぞれ違う物質に変わる事。……これだけの事があったら、そんな事も今更でしょ。こんなの、出来の悪い、素人の書いた物語だ」


「有路さんの考えてる事は分かりました。でも、それなら、その事を皆に話して……それがだめでも、また皆で脱出できるように考えていけば……!」

「それはもう、何回もやったよ。

だから今回はこんなやり方にしたんだ。

清原さん達が死んだのは予想外だった。後で殺すつもりだったから。だから、清原さん達が飲んだ毒を、まず日輪君を呼び出して飲ませた。その後平井さんに飲ませた。日輪君が目を覚ましたのには驚いたけど、その後自殺したから、そこまで予定は狂わなかった」

「何も……殺す事なんてなかったじゃない!」

「それしかなかったんだよ!!」

いつにもなく苛立った様子で言う。

「……さっきの話にはまだ続きがある」

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